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米半導体大手NVIDIA(GPUおよびAI向けフルスタック基盤を提供する世界最大手半導体メーカー)は2026年9月の投資家向け説明資料において、AIモデル「Claude」を開発する米Anthropic(米サンフランシスコに拠点を置くAI安全性・フロンティアモデル開発企業)が契約したNVIDIA製AIインフラの総容量が計2.6GW(ギガワット。電力容量の単位で、大規模データセンターの計算規模を示す)に達し、2028年までに出荷される見通しであることを開示した。次世代アーキテクチャ「Vera Rubin(ヴェラ・ルービン)」世代では、電力容量1GWあたり約400億ドル(約6兆2800億円)の売上機会を見込んでいる。

資料によると、AnthropicがMicrosoft AzureやAWS、特化型クラウド事業者(NscaleやLambdaなど)と締結したインフラ契約の総額は1800億ドル超(約28兆2600億円超、1ドル=157円換算)に上る。この契約容量のうち、NVIDIA製システムとして示された規模が2.6GWである。
NVIDIAは自社のリファレンスシステム構成に基づく売上機会について、電力容量1GWあたりで以下のように拡大していると説明した。
| アーキテクチャ世代 | 1GWあたりの売上機会 | 主な構成要素と特徴 |
|---|---|---|
| Hopper | 約180億ドル | H100/H200 GPU単体中心のクラスタ構成 |
| Blackwell | 約250億ドル | Grace CPU + Blackwell GPU、NVLink・InfiniBandのラック統合 |
| Vera Rubin | 約400億ドル | Vera CPU + Rubin GPUに加え、低遅延推論向けGroq 3 LPXを統合 |
1GWあたりの売上機会が約2.2倍に急拡大した背景には、GPU自体の演算性能向上だけでなく、CPU、高速スイッチ(NVLink / InfiniBand / Ethernet)、冷却機構、推論専用チップを含む「ラック規模のフルスタックシステム」として提供する製品範囲の拡大がある。
Vera Rubin世代では、自社製Vera CPUとRubin GPUの組み合わせに加え、低遅延推論向けアクセラレータとして「Groq 3 LPX」が製品群に統合されている。NVIDIAの発表によると、Groq 3 LPXは2026年9月時点で量産を開始している。
特定の推論ワークロードにおける「Vera Rubin NVL72」の性能について、NVIDIAは前世代比で電力あたりのトークン処理量が最大30倍、100万トークンあたりのコストが最大45分の1に低減すると示した。また、調査会社SemiAnalysisの試算によれば、Vera Rubin NVL72を運用する事業者の年間売上高はGB300構成比で電力1GWあたり約39%高く、運用利益は約42%高くなると試算されている。
本発表で示された数字を読み解くにあたり、以下の前提条件に留意する必要がある。
今回の開示は、大規模言語モデル開発企業による計算資源の需要が「数万基のGPU調達」から「GW単位のギガワット級データセンター契約」へと完全にスケールアップした実態を如実に示している。
AnthropicのようにAWSのTrainiumやGoogleのTPUを大規模に併用する企業であっても、最前線のフロンティアモデル学習・推論においてNVIDIA製インフラを2.6GW規模で確保し続けている点は、NVIDIAのソフトウェア資産とラック規模統合の強さの証明といえる。GPU単体からフルラックソリューションへの移行によって1GWあたりの売上機会を400億ドルにまで引き上げたNVIDIAの戦略は、同社のデータセンター事業の収益性を次のステージへ押し上げる中核ドライバーになるとみられる。
引用元:財経新聞