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米Metaは2026年10月、スマートグラス「Ray-Ban Meta(Metaと眼鏡大手EssilorLuxotticaが共同開発したカメラ・マイク・AI搭載スマートグラス)」において、起動フレーズを発話していないにもかかわらず周囲の音声を勝手に録音・保存していた不具合を修正したと発表した。技術系メディアAndroid Authorityへの声明で明らかにした。同社はMeta AIアプリの設定画面から音声ログの確認や削除が可能であると説明しているが、不具合の技術的原因や影響を受けた端末台数は公表していない。

今回の問題は、ソーシャル掲示板Redditのユーザー報告が発端となった。第2世代および第3世代モデルを含む3台のRay-Ban Metaスマートグラスにおいて、起動フレーズ「Hey Meta」を唱えていないにもかかわらず、日常会話が録音され文字起こしデータとしてMeta AIアプリの会話履歴に保存されていたという。
ユーザーの報告によると、「Hey Metaなしで応答する(Respond without Hey Meta)」の設定を無効化していた状態でも録音が発生していた。また、通常の会話中に眼鏡内側の通知LEDが点灯する挙動も確認されており、直前のファームウェア(ハードウェア内部に組み込まれ機器の基本制御を担うソフトウェア)更新以降にこの現象が始まったと指摘されていた。Metaはこの報告を受けて調査を行い、問題を修正したと回答した。
Metaの公式対応と外部報道を整理すると、以下の重要事項が依然として未確認のままである。
ウェアラブル機器を巡っては、プライバシー侵害への懸念が世界的に急激に高まっている。ノルウェー政府は2026年10月5日、本人の同意なく撮影・録音されるリスクを理由に、公共空間の一部におけるAIスマートグラスの一時的禁止を導入する方針を表明した。過去にはケニアの委託先事業者がプライベートな録画映像を閲覧していた実態が報じられており、米国でも集団訴訟やテキサス州司法長官による調査が進むなど、ハードウェアとAIが融合した常時装着デバイスに対する法規制の監視は一層厳しさを増している。
AIアシスタントを内蔵したスマートグラスは、ハンズフリーの利便性を提供する一方で、マイクやカメラがユーザーおよび周囲の人々のプライバシーを意図せず侵害するリスクを常に抱える。今回のように明示的な起動合図なしに録音が行われていた事象は、ウェアラブル機器の普及における致命的な信頼失墜につながりかねない。ハードウェアメーカーには、誤作動を防ぐ物理的な遮断機構や、処理内容を明確に示す透明性の高い情報開示が強く求められている。