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ノルウェー政府は、公園、ビーチ、学校、医療施設といった一部の公共空間において、米Metaの「Ray-Ban Meta」をはじめとするカメラ付きスマートグラス(カメラやマイク、スピーカーを内蔵しAI対話や撮影が可能な眼鏡型ウェアラブル端末)の着用および利用を一時的に禁止する法案を準備していることを明らかにしました。AI搭載の撮影デバイスが急速に普及する中、本人の同意のない隠し撮りやプライバシー侵害に対する懸念が世界的に高まっていることを受けた異例の法的措置となります。

ノルウェーの首都オスロの政府がまとめた法案では、市民が監視を想定していない公共エリアでの利用制限が柱となっています。
ノルウェー現政権を率いる労働党は少数与党であるため、法案可決には他党の支持が必要となります。政府は可及的速やかに法案を議会へ提出する一方、専門家グループを立ち上げて恒久的な法規制の策定作業も並行して進める方針です。
Metaのスマートグラスは、アイウェア大手EssilorLuxotticaとの提携のもと2023年初頭から累計900万台以上を販売しており、急速な普及に伴って各国で摩擦が生じています。
| 国・地域 | 主な動きと規制方針 | 現状の措置 |
|---|---|---|
| ノルウェー | 政府主導で公共空間での包括的な一時禁止法案を準備 | 専門家組織による恒久規制の策定と並行審議 |
| 英国 | 裁判所に加え、飲食店(Wetherspoons等)や映画館が個別に禁止 | 海賊版防止およびプライバシー保護目的の民間施設ルール |
| 米国(加州) | 更衣室や診察室での無断撮影処罰法案を州知事が拒否 | 既存の不法録画法で対応可能とし個別法制化は見送り |
| フランス | 児童福祉団体が無断路上撮影(いたずら動画投稿)の被害を告発 | 若年女性への無断撮影被害が相次ぎ社会的警戒感が上昇 |
スマートフォンの登場時にも盗撮やシャッター音を巡る議論が起きましたが、スマートグラスは「顔の向きのまま視線に合わせてハンズフリーで常時記録できる」という点で、プライバシーへの潜在的脅威が一段と高いと受け止められています。
公共空間における個人の肖像権・プライバシーの保護と、AIウェアラブル端末の利便性をいかに調和させるかは、世界中の規制当局が直面する共通の難題です。ノルウェー政府の踏み込んだ一時禁止令は、先行する民間施設の自主規制から「国家レベルの法規制」へと舵を切る試金石として、EU全体や他国の政策議論に大きな影響を与える可能性があります。
引用元:The Guardian