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オーストラリア連邦政府は、米メタ(Meta)の「Ray-Ban Meta」をはじめとするAI搭載スマートグラスについて、政府機関の職場や庁舎内での着用・利用を禁止する措置の検討を開始した。常時マイク機能や隠し撮り撮影がもたらす情報漏洩およびプライバシー侵害の懸念が高まっており、国家レベルの職場規制として世界に先駆けた指針策定を目指す。
ロイターの報道によると、オーストラリアのケイティ・ギャラガー(Katy Gallagher)公共サービス担当大臣は、連邦政府庁舎におけるスマートグラスの持ち込み・利用制限について公務員委員会に助言を求めたことを明らかにした。ギャラガー大臣は「スマートグラスは情報を記録・収集する能力ゆえに、正当なプライバシーおよびセキュリティ上の懸念を引き起こす。公務員に向けた明確かつ一貫した指針が必要だ」と述べている。
また、連邦政府は国内最大の雇用主の一つであることから、職場におけるAI利用指針を整備するため、マイクロソフトやコモンウェルス銀行などの主要民間企業を招いた円卓会議も開催する計画だ。
スマートグラスを巡っては、無断撮影や常時録音に対する社会的反発が世界各地で急速に広がっている。
現時点の検討は連邦政府の庁舎および公務職場を主たる対象としており、一般の公共空間(道路や商業施設)における全面禁止法案にまで拡大されるかどうかは未定となっている。
また、政府主導の円卓会議を通じて民間企業にも同様の着用禁止規則が波及するか、あるいは医療や警備など特定用途での例外規定が設けられるかについては、今後の委員会勧告を待つ必要がある。
AIウェアラブル端末は、視線共有やリアルタイム翻訳といった利便性をもたらす一方で、「他者の同意を得ない常時監視」という根本的な社会的摩擦を引き起こしている。スマートフォンと異なり、撮影行為が外見から判別しにくいスマートグラスの特性は、機密情報を扱うオフィス環境において重大な脅威とみなされやすい。オーストラリア連邦政府の先駆的な動きは、欧州や北米の規制当局におけるAIウェアラブル規制の議論を一段と加速させる契機になるとみられる。
引用元:Futurism