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ノルウェー政府のデジタル大臣カリアンネ・トゥング(Karianne Tung)氏は2026年9月3日、公共空間において周囲の同意なく他者を撮影できるカメラ搭載スマートグラスについて、顔認識機能の禁止を含む厳格な規制や利用禁止措置の導入を検討していると明らかにした。米Meta(米国の大手テクノロジー企業)の「Ray-Ban Meta(MetaとEssilorLuxotticaが共同開発したカメラ・AI機能内蔵スマートグラス)」などを念頭に、AIと日常品カメラの結合が生むプライバシー侵害への法規制による歯止めを目指す。

トゥング氏はAFP通信の取材に対し、「人々の私生活とプライバシーが新技術によって強い圧力にさらされている。スマートグラスや類似機器を現在よりも厳格に規制したい」と強調した。想定される規制案として、公共の場で他者を自動識別する顔認識機能の禁止を挙げている。政府は今後、専門家グループから助言を受けるとともに、デバイス製造企業に対して自主ルールの策定を促す構えだ。
今回の規制議論の背景には、急速に進むハードウェアとAIの融合がある。
公共空間でのカメラ搭載端末を巡っては、ノルウェーにとどまらず欧州主要国でも警戒が強まっている。
| 国名・機関 | 主な検討内容・対応状況 | 焦点となる懸念事項 |
|---|---|---|
| ノルウェー | 政府主導で専門家協議、公共空間での顔認識禁止や端末規制を検討 | 同意なき監視、顔認識AIによる個人特定 |
| フランス・ドイツ・オランダ | 各国のプライバシー保護機関がスマートグラス利用規制の検討を開始 | 公共空間における一般市民の撮影承諾の欠如 |
| Meta社 | 撮影表示LEDの不正改変端末を遠隔で使用不能化、顔認識計画を公式撤回 | ブランド毀損の防止とハードウェアの安全性担保 |
今後の焦点は、欧州連合(EU)の一般データ保護規則(GDPR)やAI規制法(AI Act)と照らし合わせ、どの範囲まで禁止を課すかという法文の具体化である。デバイスの販売そのものを制限するのか、公共施設や特定エリアでの装着禁止にとどめるのか、あるいは顔認識機能のソフトウェア遮断を義務付けるのかについて、ノルウェー政府の確定方針は現時点で未公表となっている。
メガネや帽子、イヤホンなどの日常装飾品にカメラと生成AIが組み込まれるトレンドは、利便性の向上をもたらす反面、「いつ誰に撮影・分析されているか分からない」という相互不信を社会にもたらす。
スマートフォンと異なり、スマートグラスは「撮影している動作」そのものが不可視化されやすい。通知LEDの物理保護義務付けや、撮影データの端末内暗号化など、ハードウェアと法制度の双方から個人の尊厳を守る基準作りが急務となっている。
引用元:PetaPixel