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Microsoftは2026年7月14日の「月例パッチ火曜日(Patch Tuesday)」にて、iOSおよびAndroid用Copilotアプリに存在する極めて深刻な脆弱性を修正した。この脆弱性は、悪意あるWebサイトにアクセスするだけで、ユーザーが気づかないうちにスマートフォン上のCopilotに対し不正なコマンドを送信・実行させられるというもの。脆弱性の重要度は10点満点中「9.6」と評価されている。

セキュリティ企業EnclaveのOfek Levin氏が発見・報告した本脆弱性(CVE-2026-48561)は、コマンドインジェクション(プログラムの入力値に悪意あるコマンドを注入し不正実行させる攻撃)に分類される。攻撃者は悪意あるWebサイトを構築し、訪問したユーザーのモバイルブラウザ(Microsoft Edge for Androidなど)を通じて、端末上のCopilotに不正プロンプトを送信する。脆弱性があったコンポーネントは、リクエストの送信元検証や実行確認をユーザーに求めず処理するため、バックグラウンドで動作してしまう。これにより、Copilot内のデータを第三者が盗み見たり、設定を勝手に書き換えたりする恐れがあった。
Microsoftの公式アドバイザリでは「Microsoft 365 Copilot for iOS/Android」が対象とされているが、実際の更新パッケージへのリンクは「Microsoft Edge」モバイル版を指している。Microsoftは修正が含まれる正確なビルド番号を公表していないが、直近の最新バージョン(バージョン150.0.4078.65、7月13日リリース)などで対策が講じられたとみられる。なお、この脆弱性は公表前に悪用された事実は確認されておらず、現在も実証コード(PoC)は出回っていない。CISAの「既知の悪用された脆弱性(KEV)リスト」にも掲載されていない。
今回の脆弱性報告では、影響を受けるのが「Copilotアプリ」とされながらも、実際の修正パッチの配信は「Microsoft Edgeブラウザ」の更新を通じて行われているという不整合がある。MicrosoftはiOS/Android版EdgeおよびCopilotアプリのどのバージョンから修正が反映されたかを明記していない。そのため、ユーザーは「Edge」と「Copilot」の双方を各ストア(App Store / Google Play)で強制的に最新版へアップデートすることが推奨される。
日本国内でもビジネスシーンを中心にスマートフォンでのMicrosoft 365 CopilotやEdgeの利用が進んでいる。特に、モバイル環境ではPCに比べてセキュリティ対策が薄れがちであり、フィッシングサイトや不正リンクを踏むことで意図せず攻撃サイトにアクセスするリスクが高い。スマートフォン版Copilotを頻繁に利用している日本のユーザーは、ただちにアプリの自動更新が有効になっているか確認すべきである。
AIアシスタントに対するハッキング手法として、これまでは意図しない結果を出力させる「プロンプトインジェクション」などが主流であったが、今回の脆弱性はWebブラウザとネイティブアプリの連携ミスを突き、OS上の別アプリからコマンドを直接流し込むという、より物理的なシステムハッキング(コマンドインジェクション)に近い。AIが企業の社内データや個人データと深く連携するようになっている現在、このような「Web経由で自動的にAIプロンプトが実行されてしまう脆弱性」は、データ漏洩の最大の抜け穴になり得る。AI統合が進むプラットフォームにおいては、AIモデル自体の安全性だけでなく、ブラウザとアプリを繋ぐインテグレーション部分の検証(Origin制限の厳格化など)が極めて重要になっている。
引用元:Notebookcheck