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AIエージェントを業務に導入した企業のIT部門・経営層にとって、エージェントが実際にコストに見合う成果を出しているかを数値で把握できるようになる。Microsoftは2026年7月13日、Azure AI Foundry(Microsoftが提供するAIアプリ開発・運用基盤)にAIエージェントのROI(投資対効果。投じた費用に対して得られたビジネス成果の比率)を追跡する新機能をプライベートプレビュー(一般公開前の限定的な試験提供)で追加した。併せてMicrosoft Forms(Microsoftのアンケート・クイズ作成サービス)のWeb版にCopilot(Microsoft 365に統合されたAIアシスタント)チャットを直接組み込む更新も発表し、商用ライセンス向けにグローバル展開を開始した。

Campus Technologyの報道によると、ROI追跡機能はAIエージェントの運用コストとビジネス成果を結び付ける仕組みで、以下の指標をFoundryポータルまたはAPI経由で確認できる。
| 追跡指標 | 内容 |
|---|---|
| タスク完了率 | エージェントが処理を完了した割合 |
| 削減時間 | エージェント活用で節約された作業時間 |
| コスト効率 | 運用コストに対するビジネス価値の比率 |
| バージョン比較 | エージェントの異なるバージョン間でのパフォーマンス差 |
| 日次トレンド | 日ごとの実績推移の監視 |
| トレース調査 | 成績不良な処理の個別追跡・原因分析 |
Microsoftはこの機能について「エージェントの運用コストを、それが生み出すビジネス価値に翻訳する」と説明している。技術的な指標(トークン使用量・レイテンシ・エラー率など)だけでは、エージェントが実際に従業員の時間を節約しているか、コストに見合う業務を遂行しているかは判断できないという課題に対応するものとされる。
この機能は2026年6月のBuild 2026で初公開され、現在プライベートプレビューとして提供されている。
Microsoft FormsのWeb版で、フォームやクイズの作成・編集画面の右下にCopilotのチャットボタンが常設される。チャットを開くと現在のフォーム内容を踏まえた対話が可能になり、以下の操作をAIが支援する。
従来のDraft with Copilot(下書き生成)、質問の書き換え、クイズの解答説明機能はそのまま維持される。このForms向けCopilot統合は、Microsoft 365 Copilotの商用ライセンスを持つ顧客にグローバルで展開中である。
今回の報道では以下の点が明らかにされていない。
今回の2つの更新は、企業のAIエージェント活用が実験段階を抜け、投資の説明責任を求められる段階に入ったことを反映しているとみられる。Campus Technologyの報道でもMicrosoftの発言として「投資を正当化し、次に何を改善すべきかの優先順位を決める」ための情報を提供すると引用されており、ROI追跡は経営層へのAI予算の説明材料として設計されている。
一方、Forms向けCopilotの統合は、開発者やIT部門向けのFoundry機能とは対照的に、業務ユーザーが日常的に使うアプリケーションへのAI浸透を進めるものであり、Microsoftが「開発側の基盤強化」と「利用者側の体験向上」を同時に推し進めている戦略が読み取れる。