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Alibaba Group Holding(アリババグループ)とスマートフォン大手のHonor(オナー)が、AI対応デバイス向けオペレーティングシステム(OS)での連携をさらに深めることが明らかになった。両社は今週金曜日より中国・上海で開催される世界人工知能大会(WAIC)にて共同発表を行い、新たなAIエージェント機能のデモを披露する予定だ。
HonorのCEOであるLi Jian氏、Weiboへの投稿で「デジタルスクリーンから具現化された知性(From digital screens to embodied intelligence)」と題したサブフォーラムの開催を発表した。このフォーラムには、AlibabaのToken Foundry部門でマルチモーダルインタラクションを統括するXu Zhuhong氏や、Wired創設者のKevin Kelly氏、Qualcomm ChinaのR&D部門トップのXu Hao氏らが登壇する。
これに呼応し、Alibaba Cloudは「HonorのRobot Phoneを通じて、具現化された相互作用(embodied interaction)の新たなモデルを定義する」と表明した。このRobot Phoneは、折りたたみ式のロボットジンバルアームを備えた特徴的なデバイスで、2026年3月のMobile World Congress(MWC)バルセロナで初公開されたものだ。今回の提携深化により、実用化に向けた開発がさらに前進するとみられる。
Honorが開発を進めているAgentic OS(ユーザーの意図を理解し複数デバイス間でタスクを実行するHonorの次世代OS)は、ユーザーの「意図(Intent)」を中心に設計されており、複数デバイスにまたがるタスクを先見的に計画・実行できるという。Honorは、このOSの完全な技術フレームワークを7月中に発表する予定だ。
一方、AlibabaもAIデバイス向けの技術を強化している。同社は2026年6月に、画面の読み取りやグラフィカルインターフェース(GUI)の操作、現実世界のシーン解釈に対応したマルチモーダルエージェントモデルQwen3.7-Plus(画面情報の理解やGUI操作が可能なアリババのマルチモーダルAIモデル)を導入しており、これがHonor製デバイスの頭脳として深く統合される。
今回の発表は、中国国内における「AIエージェント携帯」の開発競争が極めて激化していることを示している。直近でも、StepFunが「STEPX Neo」と正式なOSである「Step AOS」を発表したほか、ZTE傘下のNubiaが世界初の量産型フラグシップAIエージェントスマートフォンの発表を控えている。
日本の開発者や事業者にとって、これらのデバイスで動くAIエージェント向けアプリ開発の規格争いは注視すべき点だ。しかし、今回のRobot PhoneやAgentic OSのグローバル展開、および日本市場への参入予定は現時点で明らかになっていない。中国市場先行でのエコシステム形成が進む中、日本での利用可否やローカライズ時期は未確定である。
AlibabaとHonorは2025年に戦略的提携を結んでおり、今回の動きはその具現化の第2段階と言える。両社の狙いは、単なるスマートフォンへのAIアプリ搭載を超え、物理的な可動部(ジンバルなど)とOSレベルのAIエージェントを融合させた「フィジカルAI」デバイスの覇権を握る点にある。PCやスマホといったデジタル空間に閉じたアシスタントから、ロボティクスと連動した現実世界の対話インターフェースへと主戦場が移りつつある。