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AI研究組織のKyutai、General Intuition、Epic Gamesは共同で、人気ビデオゲーム「ロケットリーグ(Rocket League)」の3D環境や物理法則を物理エンジンなしで再現・シミュレートできる、50億パラメータのオープンソースAIワールドモデル(現実世界の物理法則や因果関係を模したAIモデル)「MIRA(Multiplayer Interactive World Models with Representation Autoencoders)」を発表した。本プロジェクトは、現実世界で通用する物理AIの実現に向けた重要なステップとして位置づけられており、モデル、データセット、技術レポートがオープンソースとして一般公開されている。
MIRAは、50億パラメータのDiffusion Transformer(画像や動画の生成に適した拡散モデルの一種)と、6億パラメータのビデオ表現コーデック(動画データを効率的に表現する技術)を組み合わせた設計となっている。最大の特徴は、明示的な物理エンジンや3Dデータを利用せず、ゲーム映像(ビデオデータ)とプレイヤーの行動データのみから、ゲーム内の物理演算や3D環境、ゲームの状態を学習している点である。
MIRAの学習には、人間ではなくゲームボット同士が対戦した約10,000時間の「2v2 ロケットリーグ」の対戦映像が使用された。これは、機械学習においてクリーンかつ大量のデータを入手しやすい「合成データ(コンピュータで人工的に生成されたデータ)」の優位性を活かしたアプローチである。MIRAは、物理エンジンに依存することなく、最大4人のプレイヤーそれぞれに対して一貫したゲーム視点のリアルタイム生成(20fps)を実現している。
MIRAの開発は、ゲームのシミュレーションにとどまらず、ロボティクス(ロボット工学)や自動運転車といった現実世界の物理的AI(Physical AI)への展開を強く見据えている。あらかじめ複雑な仮想空間でのシミュレーションを通じて高度な意思決定や物理法則を学習させ、それを実世界に応用するアプローチである。MIRAのオープンソース化により、今後ゲームAIだけでなく、実世界を理解する高度な世界モデルの研究開発が世界的に加速すると見られる。