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Microsoftは、一部製品のAI機能において、OpenAIやAnthropicなどの外部パートナー企業が提供するモデルから、自社内製の大規模言語モデル(LLM)「MAI」ファミリーへの段階的な切り替えを開始した。この動きは、主に運用コストの削減やデータレジデンシー(データの国内保存に関する規制)の要件をクリアすることを目的としている。
Microsoftは「Build」カンファレンスで、画像、音声、翻訳、および推論に特化した7つのMAIモデルを発表した。既にTeamsやCopilotで音声文字起こしの「MAI-Transcribe-1」、BingやPowerPointで画像生成の「MAI-Image-2」をテスト・導入中。コンサルティング会社McKinseyと共同で調整したMAIモデルでは、OpenAIのGPT-5.5と比較してコスト効率が10倍に向上したとしている。
MicrosoftとOpenAIはかつて frontier AI(先端AI)の開発において排他的なライセンス契約を結んでいたが、2025年の契約再交渉によってMicrosoftが競合モデルを独自開発できるよう制限が緩和された。MicrosoftはOpenAIの大株主でありつつ、AnthropicのClaudeをCopilotに組み込み、さらに自社モデルも導入するという3重のヘッジ戦略を取る。
今回の切り替えは、Copilot全体の膨大なトラフィックのうち一部に留まり、OpenAIとの決別を意味するものではない。しかし、世界中で数億人が利用するOfficeやTeamsのバックエンドで外部パートナーへの利用料を支払わずに自社インフラで処理できる範囲を広げることは、巨額のAI投資負担と製品マージンの改善において決定的な戦略転換となる。