AI関連の最新ニュースをピックアップ
中国政府が、国内の大手IT・AI(人工知能)企業である阿里巴巴(アリババ)、ByteDance(バイトダンス)、DeepSeek(ディープシーク)に対し, 米NVIDIAの高性能AI向けGPU「H200」を数量限定で輸入・購入することを承認する方針であることが明らかになった。米政府の対中輸出規制と中国政府による国内半導体優先方針の間で方針転換が繰り返された末、主要開発企業に対する先端半導体の供給ルートが一部確保される見通しとなった。
NVIDIAの「H200」は、前世代の「H100」と比べて推論速度が2倍に向上した先端チップだが、米政府の安全保障上の規制により中国への輸出が禁じられた。NVIDIAは性能を抑えた代替品「H20」を開発したが、今度は中国政府が国内製チップ(ファーウェイ等)の普及を促すためH20の採用を制限。これに対し、米商務省は中国市場におけるシェア維持や国内チップの優位確立を防ぐ目的から、一転してH200の輸出(米国側ライセンス)を一部承認する方針をとった。
今回の報道によると、中国政府は国内の巨大IT企業であるアリババやTikTokを運営するバイトダンス、および急速に存在感を増すAIスタートアップのディープシークの3社に対して、H200の輸入許可を与える見込み。これにより、中国国内における生成AIや大規模言語モデル(LLM)の開発速度の維持を図る狙いがあると見られる。
米国政府は約10社に及ぶ中国企業への販売ライセンスを承認したとされているが、今回中国政府が輸入許可を出す方針なのは上記の大手主要3社に限られており、他のライセンス取得企業への対応は不透明な状態が続いている。また、本件についてNVIDIAや米中両国の商務省、および中国の各テック企業は公式のコメントを発表していない。
地政学上の対立の中で、米中両政府は半導体輸出に関して厳しい制限と部分的な緩和のせめぎ合いを続けている。中国政府が数量限定ながらもNVIDIA製先端チップの輸入を容認したことは、中国国内の最先端AI開発プロジェクトを存続させる上で重要な転換点となる。しかし、数量制限や厳しい管理条件が伴うと見られており、今後も世界の半導体サプライチェーンは不安定な情勢が続くと予想される。