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非営利のデジタル権利団体であるEFF(電子フロンティア財団)のニュースレターにおいて、プライバシー保護に関する重要な動向が報告されました。米Meta社は、同社のスマートグラス(カメラやスピーカーを搭載した眼鏡型デバイス)向けコンパニオンアプリ「Meta AI」に組み込まれていた顔認識技術に関連するプログラムコードを完全に削除したことが明らかになりました。このコードは非アクティブ(無効化された状態)で埋め込まれていましたが、第三者が他人を自動的に識別する用途に悪用される恐れがあるとして、報道機関や権利団体から強い批判を受けていました。
この問題は、米テクノロジーメディアのWiredによる調査報告から始まりました。同誌は、数百万台のスマートフォンにインストールされている「Meta AI」アプリの内部に、顔認識用のコードが休止状態で隠されていることを指摘しました。このコードが有効化されると、スマートグラスで撮影された顔画像を「バイオメトリック・シグネチャ」(個人の身体的特徴をデジタルデータ化した生体認証署名)に変換し、公共の場所で全く見知らぬ人物を特定・識別できてしまう懸念がありました。
EFFの技術分析部門である「Threat Lab」は、アプリを実行せずにソースコードの構造を検証する「静的解析(スタティック・アナリシス)」という手法を用い、Wiredの指摘した顔認識コードが実際にアプリ内に存在することを確認しました。
この事実が広く知れ渡り、一般の市民や権利団体からの懸念の声(パブリックアウトクライ)が高まった結果、Meta社はアプリの更新を行い、該当する顔認識用コードを削除する対応を行いました。これにより、スマートグラスを通じた大規模な監視ネットワークが構築されるリスクや、市民の意図しないプライバシー侵害リスクは一時的に回避された形となります。
EFFは今回のMeta社による顔認識コードの削除を「プライバシーの勝利」として歓迎する声明を出しています。しかし同時に、巨大テック企業による顔認識技術やウェアラブルデバイスを通じた監視インフラへの野心が今後も消え去るわけではないとも指摘しています。
編集部注:今回の削除対応により差し迫ったリスクは回避されましたが、今後スマートグラスのような常時稼働カメラを備えたデバイスが普及するにつれ、同様のプライバシー上の議論は繰り返されると見られます。EFFのような外部の監査機関や市民社会による継続的な監視の重要性が改めて浮き彫りになりました。