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米Meta(メタ)社がRay-Ban(レイバン)と共同開発したスマートグラス(眼鏡型のウェアラブル端末)の公式アプリ「Meta AI」の中に、未公開の顔認識機能である「NameTag(ネームタグ)」のソースコードが存在していることが明らかになった。WIREDが報じたこの情報によると、同機能はアプリのアップデートの中でひそかに開発が進められていたものの、現在は非アクティブ(無効化)の状態で組み込まれているという。機能が有効化されれば、スマートグラスのカメラで捉えた人物の身元を即座に特定できる可能性があるとして、プライバシー保護の観点から議論を呼んでいる。
解析されたコードによると、NameTag機能は3つの人工知能(AI)モデルを連携させて人物を特定する。第1のモデルが画像や映像から人物の顔を検出し、第2のモデルが処理しやすいように顔画像を補正、そして第3のモデルがその顔をバイオメトリックデータ(身体的特徴を用いた生体データ)に変換して個人を識別する。このプロセスによって生成されたフェイスプリント(顔の輪郭などから得られる生体特徴データ)は、Metaのサーバーから取得した識別データと照合されたのち、ユーザーのデバイス内に保存される構成になっている。
アプリ解析の結果、この顔認識機能の初期インフラは遅くとも2026年1月時点で既にアプリ内に組み込まれていたことが判明している。Metaは2026年4月に「スマートグラスへの顔認識機能の導入を検討中である」と公言していたが、それより前から具体的なコードレベルでの開発が進行していたことになる。Metaはメディアの取材に対し、「中央集権的な顔のデータベースは構築しておらず、同機能の導入に関する最終決定も下していない。もし導入する場合は十分な透明性を確保した上で行う」と回答し、慎重な姿勢を強調した。
顔認識技術をウェアラブル端末に搭載しようとする動きはMetaに限らない。米Google(グーグル)も韓国Samsung(サムスン)と共同で「Android XR」をベースにしたスマートグラスの開発を進めており、カメラやAIセンサー入力を活用した新しいユーザー体験の提供を目指している。業界全体でスマートグラスのAI多機能化が進む中、周囲の人物をどのように識別し、あるいは保護すべきかというルール作りが共通の課題となっている。
スマートグラスによる顔認識機能は、視覚情報を補完して人付き合いを円滑にするなどの利便性をもたらす一方、同意のない個人特定や監視社会化といった深刻なプライバシー侵害を招く懸念がある。特に、他人の顔写真を無断で分析し身元を暴く技術が日常的な眼鏡型デバイスに搭載された場合、法的規制の強化や社会的な反発は避けられないと見られる。 (編集部注:Metaが本機能を有効化するかどうかは未定だが、今後のウェアラブルAIのプライバシー基準を左右する重要な試金石となるだろう。ユーザー側の自己防衛や法整備の議論がどのように進むか注目される。)
参照ソース:The Jerusalem Post