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米Googleは現地時間2026年6月8日、AI(人工知能)を活用したリサーチツール「NotebookLM」のメジャーアップデートを発表しました。チャット機能の基盤を最新モデル「Gemini 3.5」に移行するとともに、自律的にコードを書いて実行できるエージェント型コーディング(AIが自動でプログラミングを行うこと)の開発基盤「Antigravity」を導入しました。これにより、資料が揃っていない初期段階からのリサーチや、高度なデータ分析、多様なファイル形式での成果物出力が可能になります。本機能はWeb版のGoogle AI Ultraプラン加入者や、一部のWorkspace法人顧客を対象にグローバルで順次提供が開始されています。

今回の刷新では、各ノートブックごとに安全なクラウドコンピュータ(ネットワーク経由で稼働する仮想のPC環境)が個別に割り当てられます。NotebookLMは割り当てられた環境でコードを自動で記述・実行し、複雑なデータ分析や高度な処理を担います。システム内には100種類以上の厳選されたソフトウェアスキルが組み込まれており、ユーザーの実務を強力にアシストします。
従来は事前にアップロードした資料のみを対象とするRAG(外部データを検索して回答を生成する技術)が中心でしたが、アップデートにより大まかなトピックから資料のない状態でリサーチを始められるようになりました。NotebookLMがチャット上で関連ソースの構築を支援し、Google検索を通じてWeb上の最新情報を探索します。ユーザーは提案されたソースを確認してインポートし、プロジェクトを育てていきます。Googleの評価によると、新システムは従来システムと比較して、大規模なドキュメントの分析・処理で69.9%、高度なウェブリサーチで78.2%の勝率を示したと発表されています。
成果物の出力形式も大幅に強化されました。従来のドキュメント形式に加え、新たにグラフなどのデータ可視化(PNG、SVG)、画像生成モデル「Nano Banana」による画像、さらにはMicrosoft Excel(xlsx)やMicrosoft PowerPoint(pptx)形式のファイル出力にも対応します。ユーザーはチャットで詳細な指示を与えることでこれらのファイルを生成し、スタジオパネル(成果物のダウンロード用UI)から直接取得できます。
今回のアップデートにより、NotebookLMは「ドキュメントの要約・検索ツール」から、自律的にコードを実行して調査とファイル作成までを一貫して代行する高度なAIエージェントツールへと進化を遂げました。当初の提供は一部の有料プランや法人顧客に限定されていますが、Googleは今後対象を順次拡大するとしています。従来の「手元にある資料を分析する」形から、「Web上の情報を含めて能動的に知識ベースを構築し、ビジネス用のスライドや表計算資料に仕上げる」形への変化は、ビジネスパーソンや研究者のデスクワークを大きく効率化させると予想されます。また、Gemini 3.5の高度な推論能力とAntigravityによるコーディング実行の組み合わせは、他のAIツールにおける「自律型エージェント」の開発競争をさらに加速させる契機となるでしょう。