引用元 :Google
Googleは、自社の開発者向け年次イベント「Google I/O 2026」の制作において、最新のAI技術をフル活用した舞台裏を公開しました。今回のプロジェクトでは、同社の対話型AI「Gemini」や、高機能な画像生成AIモデルである「Nano Banana」といった多様なツールを導入。映像制作、ビジュアルデザイン、参加者向けの体験型コンテンツやアプリ開発など、多岐にわたる領域で人間のクリエイティビティと実験的なAIが融合されました。これにより、クリエイターが単調な作業から解放され、より創造的な業務に集中できる実用的なワークフローの確立を目指したとされています。
1. 短編アニメ「TPU Training Day」とAIの一貫性制御
イベント内で上映された短編アニメ「TPU Training Day」の制作では、人形劇の「温かみのある不完全さ」を保ちながらAIを組み込む挑戦が行われました。
制作のプロセス : Laurie Rowan監督らと協力し、 puppetry(人形劇)やシンプルな3Dアニメでキャラクターの演技を定義。それを元に画像生成AI「Nano Banana」で特徴的な初期フレームを生成しました。
一貫性の維持 : Google AI Studio(AI開発用の支援環境)内にカスタム検証システムを構築し、フレーム間のピクセルレベルでのズレをテスト。実験的モデルや、対話と映像をシームレスに処理するマルチモーダルAIである「Gemini Omni」で最終合成を行うことで、アニメーションの整合性を保ちました。なお、「TPU」とはAI処理を高速化するためのGoogle独自の専用プロセッサ(半導体)を指します。
2. ビジュアル構築と3Dゲーム「Infinite Scaler」
I/Oのブランドロゴやグラフィック、および体験型ゲームの開発でもAIモデルが大きく貢献しました。
過去データの学習 : 過去5年分のI/Oイベントまとめ資料をGeminiに入力。初期デザインの生成から調整を繰り返し、Nano Bananaで多様なアイコンを生成しました。
無限生成ゲーム : プレイヤーが入力したプロンプト(指示文)から即座に3Dステージを生成して遊べるゲーム「Infinite Scaler 」を構築。WebGL(ブラウザ上で3Dグラフィックスを表示する標準技術)による3D空間へマッピングするためのスプライトシート(キャラクターなどの動きを並べた画像集)生成にNano Bananaを活用し、ゲーム内の音楽は音楽生成AI「Lyria 3」で自動生成されました。
引用元 :Google
3. 音楽演出「Jellectronica」とスマートカフェ
会場やオンラインで提供されたリアルタイムの体験コンテンツにもAIが浸透しています。
クラゲによる音楽生成 : 水槽のクラゲの動きを、物体検出モデル「YOLO8(画像の中から特定の物体を素早く検出するAI)」と、NPU(AI計算に特化した専用プロセッサ)を用いてリアルタイムに追従。音楽API(外部プログラムと連携するための接続仕様)を通じてLyriaが演奏を自動生成する「Jellectronica」を構築しました。
適応型カフェアプリ : 来場者がカスタムラテアートを注文できるアプリでは、Flutter(アプリ開発用フレームワーク)を用いたジェネティブUI(AIがユーザーの行動に応じて画面構成をリアルタイムに自動構築する技術)と「A2UI」プロトコルを採用。FirebaseやGoogle Cloudで動作し、参加者はGoogle Antigravityを用いた自律コーディング(AIが自動でプログラムを記述する手法)により、数分で自身の注文アプリを作成する体験も行いました。
引用元 :Google
Google I/O 2026におけるこれらの事例は、AIが単なる「発表される機能」にとどまらず、プロトタイピングからアセット生成、インタラクティブ開発に至るまでの全プロセスを支える強力なインフラとして成熟していることを示しました。
編集部注: AIの導入は制作の自動化だけでなく、クリエイターが思い描くアイデアを瞬時に具現化するための共同クリエーションツールとして機能しており、今後のクリエイティブ業界における標準的なワークフローとなっていくと見られます。
引用元 :Google