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イーロン・マスク氏率いるSpaceXAI(SpaceX傘下のAI部門。旧xAI)において、2,000億ドル規模のスーパーコンピュータクラスタ「Colossus」「Macrohard」「Macroharder」のコミッショニング(立ち上げ・運用開始)を率いたMichael Roberson氏が、OpenAIのインフラ部門へ移籍したことが判明した。同氏に加え、現場を統括していた主要エンジニア4名も同時にOpenAIへ合流した。
SpaceXがAI計算資源の構築に向けて巨額の設備投資を続けるなか、中核インフラを支えてきた現場責任者の離脱が明らかとなった。
Roberson氏はデータセンターを「建設からテスト、そして実運用へと導く」コミッショニングプログラムマネージャーとしてOpenAIに参画した。同氏とともに移籍したメンバーは以下の4名である。
Roberson氏はxAIで1年間勤務した後、短期間のFluidstack在籍を経てOpenAIに移籍しており、Colossusの高速立ち上げを支えた中核ノウハウが競合であるOpenAIへ流入することになる。
Roberson氏らが離脱したAI部門は、2026年2月にSpaceXがxAIを買収して以降、目まぐるしい組織再編を経験してきた。7月にはSpaceXAIへと移行し、さらに10月にはトランプ大統領の呼称令を受けてSpaceXSI(SpaceX Super Intelligence)へと改称されるなど、8か月間で3度目の名称変更となった。
一方で、インフラ建設に伴う財務的負担はSpaceX(ティッカー: SPCX)の公開財務諸表に直接のしかかっている。
| 四半期 | 設備投資(Capex) | 売上高 | 備考 |
|---|---|---|---|
| Q1 2025 | 41.4億ドル | 40.7億ドル | xAI買収前 |
| Q2 2025 | 28.3億ドル | 40.7億ドル | xAI買収前 |
| Q1 2026 | 101.1億ドル | 46.9億ドル | 2月にxAI買収完了 |
| Q2 2026 | 183.7億ドル | 78.1億ドル | AIコンピュートに158.3億ドル |
2026年第2四半期における設備投資183.7億ドルのうち、実に158.3億ドルがAIコンピュート関連に費やされており、同四半期の純損失は5億4,100万ドルを記録した。AI部門自体の売上高は25.6億ドルにとどまり、契約者1,200万人を突破したStarlink事業の収益力(評価額2.2兆ドル)が巨額支出の下支えとなっている。
AIフロンティアモデルの開発競争は、アルゴリズムの設計にとどまらず、十万基規模のGPUを安定稼働させる電力・冷却・ネットワークのインフラ構築能力が勝敗を左右する局面に入っている。
今回の中核メンバーの離脱がColossusや後続クラスタの拡張スケジュールに与える影響は現時点で未確定だが、データセンターの建設・コミッショニングに精通した希少な人材を巡り、大手企業間の引き抜きが一段と激化している実態が浮き彫りとなった。
引用元:The Inference