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台湾の半導体大手MediaTek(台湾に本社を置くファブレス半導体メーカー)は2026年9月21日(現地時間)、AIファーストなノートPC向けプロセッサファミリーの第1弾となる最上位SoC「Dimensity CX C10 Max」を発表した。台湾TSMCの先端3nmプロセスを採用し、最大55 TOPSの演算性能を誇る第8世代NPU「MediaTek NPU 890」を搭載。Googleが新たに発表した次世代ノートPC「Googlebook」に採用され、オンデバイスでのAI推論処理を担う。
Dimensity CX C10 Maxは、MediaTekが展開するPC向け新SoCファミリー「Dimensity Compute Experiences(CX)」のフラッグシップモデルだ。
CPU構成には高性能コアのみを束ねた「All Big Core」オクタコア構成を採用し、11コア構成のGPUと統合されている。AI処理を専門に担う「NPU 890」は最大55 TOPS(1秒間に55兆回の演算)を達成。Googlebookに搭載される「Gemini」のオンデバイス知能機能を低消費電力で駆動し、クラウドへのデータ送信を介さずに高速な応答と高いプライバシー保護を実現する。
優れたエネルギー効率により、PCメーカーは冷却ファンを排した薄型軽量のファンレス設計を採用でき、終日のバッテリー駆動時間を確保できる。
PC向けオンデバイスAIを牽引する主要プロセッサとの位置づけおよび仕様比較は以下の通りである。
| 項目 | MediaTek Dimensity CX C10 Max | 競合AI PC向けSoC(目安) |
|---|---|---|
| 製造プロセス | TSMC 3nm | 3nm / 4nmクラス |
| CPU構成 | オクタコア(All Big Core設計) | パフォーマンス+高効率コア混成 |
| GPU構成 | 11コアGPU | 各社内製GPU |
| NPU演算性能 | 最大 55 TOPS(NPU 890) | 40〜50 TOPS(Copilot+ PC基準: 40 TOPS以上) |
| 主な搭載製品 | Google Googlebook | 各社Copilot+ PC等 |
| 冷却要件 | ファンレス設計対応 | ファンレス〜空冷ファン |
オンデバイスAI PCの市場では、これまで米QualcommのSnapdragon XシリーズやIntel、AMDのプロセッサが主導権を握ってきたが、MediaTekが3nmと55 TOPSの高性能NPUを引っ提げて本格参入したことで、ArmベースのWindows/Chrome/Googlebook向けSoC市場の競争が一気に加速する。
日本のハードウェアメーカーやノートPCユーザーにとっても、高い処理能力と完全な静音性(ファンレス)、長時間のバッテリー駆動を両立した選択肢が増えることになり、特に外回りや教育現場におけるAI端末の普及を促す契機となる。
スマートフォン向けDimensityシリーズで高い市場シェアを確立したMediaTekにとって、PC向けコンピュート市場への進出は中長期的な成長に向けた重要戦略である。Googlebookのローンチパートナーとして採用されたことは、同社がAndroid端末だけでなくPCエコシステムにおいてもGoogleと深い協業関係にあることを証明している。50 TOPSを超える高性能NPUが普及価格帯の薄型ノートPCに浸透することで、エージェント型AI機能のローカル実行が本格的な普及期を迎えるだろう。
引用元:MediaTek