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ヒューマノイドロボット専業メーカーの米Agility Roboticsは、安全柵のない環境で人間の作業員と近接して協調作業を行える汎用人型ロボットの最新モデル「Digit 5」を正式発表しました。前世代モデル「Digit 4」の3年間にわたる運用実績と現場フィードバックを反映し、米NVIDIAのエッジAIコンピューティング基盤「IGX Thor(NVIDIAのロボティクス・エッジAI向け高信頼コンピューティングプラットフォーム)」および安全監視基盤「Halos for Robotics(NVIDIAが提供するフィジカルAI・ロボット向けの安全監視ソフトウェア基盤)」を統合。物理的な隔離柵を撤廃した工場・物流倉庫での大規模展開を想定した設計となっています。

従来の産業用ロボットや初期の人型ロボットは、人間への接触リスクを避けるために防護フェンス内での稼働が必須とされていました。これに対しDigit 5は、NVIDIAのEdge AI担当バイスプレジデントであるDeep Tara氏が言及した通り、6万5,000時間を超える実環境テストデータを反映したNVIDIA IGX ThorプラットフォームとHalos for Roboticsを採用しています。
Digit 5は、物流倉庫や製造現場の実用要件に応えるため、駆動性能と稼働効率が大幅に向上しています。
前世代「Digit 4」と新型「Digit 5」の主要諸元の差異は以下の通りです。
| 項目 | 前世代機「Digit 4」 | 新型「Digit 5」 |
|---|---|---|
| 人間との協調形態 | 安全柵内または限定エリアでの運用が中心 | 安全柵不要(NVIDIA Halos for Roboticsにより近接協調作業が可能) |
| 演算基盤 | 従来型組み込みSoC | NVIDIA IGX Thor(エッジ物理AI専用プラットフォーム) |
| 最大可搬重量 | 約16.2kg(35ポンド水準) | 約22.7kg(50ポンド、40%向上) |
| 稼働/充電時間比率 | 2:1(充電頻度が高く実働に制限) | 10:1(9分充電で90分稼働、1日20時間以上の実稼働) |
| アタッチメント機構 | 固定型・専用設計 | ISO標準規格準拠のツール交換式 |
| 展開地域 | 米国・カナダ | 米国・カナダに加え、英国・EU(CEマーキング準拠)へ拡大 |
日本の物流業界では「2024年問題」以降のトラックドライバー不足に加え、配送拠点・倉庫内での荷役作業員の深刻な人手不足に直面しています。20kg前後のダンボール箱を反復して積み降ろす作業は作業員への身体的負担が大きく、Digit 5の50ポンド可搬性能と10:1の稼働効率は実用的な解決策となります。特に安全柵の設置工事が不要である点は、既存の狭隘な倉庫レイアウトを大規模改修せずに導入できる利点があります。
引用元:GIGAZINE