AI関連の最新ニュースをピックアップ
トレンドマイクロ子会社でフィジカルAIセキュリティを手がけるVicOne(ヴィックワン)は2026年9月3日、AIロボットへのサイバー攻撃の影響をシミュレーション上で検証できる「NVIDIA Isaac Sim」向け拡張機能「Radeis Extension(レディス・エクステンション)」の無償提供をGitHub上で開始しました。世界最大級のセキュリティカンファレンス「DEF CON 34」で得られた実践的な攻撃シナリオが組み込まれています。
ロボットの安全性評価ではハードウェアの動作検証が重視される一方、サイバー攻撃が制御に及ぼす影響はテスト工程から見落とされがちでした。
VicOneは2026年8月に開催されたDEF CON 34の「Robotic Hacking Community」にてAIロボットの攻撃耐性を試すCTFを実施。出題された課題のほぼすべて(16チームが計25件の攻略に成功)が攻略され、AIモデル、認識処理、API、組み込み通信など多層にわたるリスクが浮き彫りとなりました。Radeis Extensionは、この検証結果をもとに敵対的攻撃シナリオを整理し、シミュレータ上で再現できるようにしたものです。
本拡張機能は、Isaac Sim上で動作し、AI推論サーバと連携して以下の検証機能を提供します。
動作にはNVIDIA Isaac Sim 5.0/5.1/6.0、Ubuntu 22.04/24.04、およびNVIDIA RTXシリーズGPUが必要です。
VicOneは無償のシミュレーション拡張機能に加え、エンタープライズ向けの商用プラットフォームを提供しています。
| 項目 | Radeis Extension(無償版) | Radeis(商用製品版) |
|---|---|---|
| 提供形態 | GitHub公開(無償拡張機能) | 商用ライセンスプラットフォーム |
| 主な検証対象 | Isaac Sim標準ロボット・標準シーン | 顧客独自のロボット・独自環境・VLAモデル |
| 検証領域 | 敵対的視覚入力による動作変化の検証 | コンポーネント・システム・AIモデル全体の多層リスク評価 |
| 付帯機能 | HTMLレポート出力 | 修正計画策定支援・規制規格対応支援・詳細調査 |
人共存環境で動作する産業用ロボットや自動搬送車(AGV)において、サイバー攻撃による誤動作は重大な物理的事故に直結します。本拡張機能が無償提供されたことで、国内のロボット開発者は高価な実機実験を行う前の設計段階からサイバー耐性を評価できるようになります。フィジカルAIの社会実装が進む中、セキュリティ検証のシフトレフト(開発初期化)を後押しするツールとして注目されます。
引用元:VicOne