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カナダShopifyのトビ・リュトケ(Tobi Lütke)CEOは2026年8月26日、Anthropicのコーディングエージェント「Claude Code(Anthropicが提供するエージェント型コーディングツール)」が業界標準フォーマットである「AGENTS.md」をネイティブサポートしていない点について、大規模開発における「不要な複雑性コスト(complexity tax)」を生んでいると批判し、社内利用の禁止を検討しているとSNS上で表明した。

現代のエージェント型コーディングツールでは、ビルドコマンドやテスト要件、コーディング規約などの永続的なコンテキストをリポジトリ内のMarkdownファイルとして管理する手法が主流となっている。
OpenAIが2025年8月に提唱した「AGENTS.md(AIコーディングエージェントにプロジェクト規約を指示する標準仕様)」は、Cursor、Codex、GitHub Copilot、Gemini CLI、VS Codeなど主要ツールに採用され、現在はLinux Foundation傘下のAgentic AI Foundationに標準仕様として移管されている。
一方、Claude Codeは独自フォーマットである「CLAUDE.md」を採用しており、AGENTS.mdを直接読み込むネイティブ機能を持たない。AnthropicはCLAUDE.md内からのインポートやシンボリックリンクによる回避策を案内しているが、数千人のエンジニアが巨大なモノレポ(単一リポジトリ)で協業するShopifyのような企業では、ディレクトリ構造の深層において指示ファイルの同期漏れが発生し、一部の開発者がコンテキスト欠落状態で作業するリスクが生じる。
リュトケCEOは、「自動化によって同期を維持する回避策を構築しているが、本来支払う必要のない愚かな複雑性コストだ」と指摘。AGENTS.mdや.agents/skills等の標準仕様にAnthropicが対応するまで、社内でのClaude Code利用を禁止することを検討していると述べた。
GitHub上のリクエスト(issue)では、開発者コミュニティから約1年にわたりAGENTS.mdの再帰的探索対応が要望されていたが、Anthropic側はこれを「対応予定なし(not planned)」としてクローズしていた経緯がある。
AIエージェントの利用が企業内で本格化する中、ツールごとに異なる設定ファイル仕様(CLAUDE.md、AGENTS.md、copilot-instructions.mdなど)の乱立は、プラットフォームエンジニアリングチームの保守負荷を増大させる要因となっている。開発組織が複数のAIコーディング支援ツールを併用する場合、共通の指示ファイルをどう一元管理・自動同期するかというCI/CD上の課題は、日本の開発チームにとっても直面しつつある現実的なテーマである。