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ID管理サービス大手のOktaは2026年8月17日、自社サービスを利用する2万社以上のアクセスデータを分析した調査レポート「Okta Enterprise AI Index」を公開しました。2026年6月時点で57.1%の企業が2社以上のAIツールを併用しており、特定の単一ベンダーに依存しない「マルチベンダーAI」の運用が企業の標準となっている実態が明らかになりました。
調査は2022年6月から2026年6月までの4年間の匿名化データを対象に実施されました。単一ベンダーのみを利用する企業は42.8%にとどまり、過半数の企業が複数のAIツールを業務に応じて使い分けています。
| 導入ベンダー数 | 企業の割合 |
|---|---|
| 1ベンダー(単一利用) | 42.8% |
| 2ベンダー | 27.5% |
| 3ベンダー | 18.3% |
| 4ベンダー | 11.3% |
※Microsoft 365とGitHubの両方を導入している場合などは同一ベンダー(1社)として集計
企業アカウント純増数に基づく成長率インデックス(Anthropicを100.0とした基準値)では、AIを中核とする新興ツール群が上位を占めました。
| 順位 | ベンダー・ツール | 成長率インデックス |
|---|---|---|
| 1位 | Anthropic | 100.0 |
| 2位 | OpenAI | 66.9 |
| 3位 | Google Workspace | 59.8 |
| 4位 | GitHub | 56.6 |
| 5位 | Cursor | 42.4 |
Oktaのデータ解析によると、成長率4.0倍を超える「AIネイティブ」(AnthropicやCursorなど)が新規アカウント獲得を牽引しています。特にAnthropicは2026年3月に企業アカウント数でOpenAIを逆転し、2026年4月にはMAU(月間アクティブユーザー数。月に1回以上サービスを利用したユーザーの総数)でもOpenAIを上回りました。
一方で、総アカウント規模では既存業務基盤である「AI強化型」ツール(Microsoft 365など)が市場を圧倒しています。急成長するAnthropicのMAUであってもMicrosoft 365の10.0%未満にとどまっており、企業は「全社的な定型業務には既存のAI強化型ツール」「特定専門業務にはAIネイティブツール」という適材適所の使い分けを行っています。
2025年5月以降、Claude Code(Anthropicが提供するコーディング向け自律型AIツール)やCursorの進化により、人間が逐次指示を出さずとも自律的にコードを解析して複数タスクを実行する自律型AIエージェント(自律的にシステム連携やタスク実行を行うAIソフトウェア)への移行が進んでいます。
しかし、複数ベンダーのAIエージェントが社内システムにアクセスする環境では、以下のガバナンス課題が生じます。
単一プラットフォームによる全社AI統合からマルチベンダー構成への移行は、AIの機能分化とエージェント化に伴う自然な帰結といえます。今後は各社が特化型AIを組み合わせて活用する動きが加速する一方、ベンダーロックインを回避しつつセキュリティを担保するため、中立的なID管理・認証基盤の整備が企業の最重要テーマになると分析されます。
引用元:TechTarget ジャパン