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イーロン・マスク氏率いる宇宙・テクノロジー企業「SpaceX(スペースX)」は、最近の新規公開株(IPO)によるナスダック上場を経て市場価値が約1.94兆ドルに達したが、同社が統合した「SpaceXAI(xAI)」の主力チャットボット「Grok(グロック)」の利用低迷という問題に直面している。データによると、2026年第2四半期のGrokの月間アクティブユーザー数(MAU)は前四半期比で5%減少しており、急速に勢いを増す競合モデル(Meta AIなど)に対して市場シェアを奪われている。
SpaceXは、宇宙ロケット事業や衛星通信サービス「Starlink(スターリンク)」に加え、Grokを傘下に収めることで高度なAIエコシステムの構築を掲げてきた。しかし、その裏ではAIインフラへの莫大な投資が財務を強く圧迫している。最新四半期決算では売上高が前年同期比15.42%増の約46.9億ドルと本業は成長したものの、純利益はマイナス約42.7億ドルと大幅な赤字を計上。Grokの運営費用とAI投資によりネットキャッシュフロー(現金の流出入)が悪化している。
ユーザー数の減少を覆すため、同社は実用的なビジネス向けAIツールによる市場開拓を進めている。その一環として、コードを書かずに最短2分で音声アシスタントを作成できる「no-code voice agent builder(ノーコード音声エージェント構築ツール)」を公開した。これは「Grok Voice」モデルで動作し、80種類以上の音声と25の言語に対応。コールセンターや顧客対応部署などの導入ニーズを狙っている。
財務的な逆風にもかかわらず、証券アナリストの評価は依然として強気である。モルガン・スタンレーのAdam Jonas(アダム・ジョナス)氏はSPCXの目標株価を300ドル(時価総額約4兆ドル相当)と評価。また、SpaceXはテキサス州スターベースの発射基地に向けて独自の天然ガスパイプライン「Starpipe」の建設を来月開始する予定であり、宇宙ロケットとAIインフラの双方を支える独自のエネルギー供給網構築も進めている。
上場直後のSpaceXにとって、Grokの市場シェア低下は、華々しい成長シナリオに対する投資家の懸念材料となっている。しかし、独自の音声エージェント開発環境やエネルギーパイプラインといった強固なインフラストラクチャを構築したことで、単なるチャットボットから実用的なビジネスソリューションへと昇華させる余地を残している。今後の株価の行方は、Grokが単なる財務の「お荷物」ではなく、収益を生み出す主柱へと化けられるかどうかにかかっている。