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モバイルアプリ市場の調査会社である米Apptopia(アップトピア)が公開した2026年7月版の月次レポートにより、米国の生成AIチャットボット利用者の多くが複数のサービスを併用せず、特定の1つのアプリだけを継続して利用している実態が明らかになった。同レポートによると、2026年第2四半期において、調査対象となった継続利用者のうち86%が実質的に1つのAIアプリのみを利用しており、2つのアプリを利用する人は11%、3つ以上を使い分ける人はわずか3%にとどまった。
これほど多くのユーザーが「1つのアプリだけ」に絞っている背景として、各社の大規模言語モデル(LLM)の機能差が急激に平坦化していることが挙げられる。ある主要製品が画期的な機能や性能改善を発表しても、競合他社が数週間から数か月以内に同様の機能を実装して追いつく傾向がある。その結果、一般の利用者にとっては、特定の用途ごとに厳密にアプリを使い分ける合理的な理由や必要性が薄れているとApptopiaは分析している。
米国のモバイルアプリにおける日次アクティブユーザー数(DAU)シェアにおいて、首位の「ChatGPT」が11か月ぶりに上昇を示した。しかしこれはChatGPTの絶対的な利用拡大が原因ではなく、同月の米国DAUが前月比で1.7%減少する中で、競合を含めた市場全体の構成比率が変わったことによる「見かけ上のシェア上昇」である。また、Metaが自社のSNSアプリ群で展開する「Meta AI」が急速に成長し、市場の4番手として新たに調査グラフに追加されたことも特徴的である。
レポートは、利用者が新しいAIアプリをダウンロードした際、既存アプリの利用時間が奪われるかについても追跡している。「ChatGPT」の利用者が「Claude」をダウンロードしたケースでは、その後の30日間でChatGPTの利用時間が13.5%減少するという例外的な動向(ChatGPTが24.9分、Claudeが26.1分に変化)が見られた。一方、イーロン・マスク氏率いるxAIの「Grok」は、DAUが前月比で大幅に減少したものの、残ったユーザーの57%が高頻度利用者で構成されており、カジュアル層の離脱とコアファンの定着という二極化が進んでいる。
今回のApptopiaの調査は、生成AIチャットボット市場が単なるお試し期間(キャズム)を越え、一般ユーザーの日常生活における「定着・固定化フェーズ」に入ったことを示唆している。機能の平坦化に伴い、ユーザーは慣れ親しんだキーボード操作やUI(ユーザーインターフェース)から移行しづらくなっている。各AI企業にとって、今後は他社からのユーザー奪取や複数運用の促進よりも、すでに自社ツールを使っているユーザーのエンゲージメント(結びつき)を高める機能の充実や、既存のエコシステム(OSやSNSなど)への密接な統合が競争の鍵になると見られる。