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2026年7月8日、香港株式市場においてアリババ(Alibaba Group Holding)の株価が一時13.8%急騰し、最終的に前日比12.2%高の107.5香港ドルで取引を終えました。これは同社にとって今年最大の株価上昇幅となります。この急激な上昇の背景には、人工知能(AI)需要の増加に伴うクラウド部門の急成長と、自社開発のAI半導体「T-Head(平頭哥:ティーヘッド)」の活用によるコスト最適化が進んでいることへの市場の強い期待があります。
UBSやJefferiesなどの金融機関は、アリババの6月期(第1四半期)の総売上高が前年同期比で9%増加すると予測しています。前四半期の伸び率が3%だったのに対し、大幅な成長加速が見込まれています。特にクラウド部門は45%の売上成長が期待されており、同社の大規模言語モデル(LLM)「Qwen(通義千問:キューウェン)」シリーズなどをベースとしたAIモデルサービスの年間経常収益(ARR:1年間の予測収益)は100億元(約15億ドル)に達する見通しです。
AIモデルの訓練にかかる計算量(コンピューティングパワー)やコストは世界的に急増していますが、アリババはモデルアーキテクチャの改善と自社開発の独自半導体「T-Head」チップを多く採用することで、このコスト上昇を効果的に相殺できていると Morningstar のアナリストは分析しています。
また、これまで収益の足を引っ張っていた生活関連デリバリーなどのインスタントコマース事業において、中国政府による過度な値引き規制の影響などもあり、前四半期の180億元の赤字から今期は100億元へと赤字幅が大幅に縮小する見込みであることも、株価急騰を後押ししました。
VICEやMorningstarのコメントにあるように、今回の株価上昇は、アリババがEコマース(電子商取引)の枠を超え、高価値なAI・半導体アセットを保有するテック企業として市場から再評価されたことを示しています。今後、同社の自社製「T-Head」チップがどれほどインフラコストを抑制しつつモデル性能を引き上げられるかが、競合するTencentやBaiduに対する優位性を維持する上での鍵となるでしょう。