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中国のアリババグループは、同社が提供するオープンソースの大規模言語モデル(LLM)「Qwen(通義千問)」の主力モデル(フラグシップモデル)である「Qwen3.6-Max」および「Qwen3.7-Plus」を、これまでのオープンソースから、有料のクローズドなAPI専用モデルへと移行させました。Qwenは2025年末までに、世界のセルフホストAI利用シェアにおいて約1.2%から約30%へと急成長し、米メタ(Meta)の「Llama」を上回る導入実績を誇っています。しかし、この絶大な人気を有料APIでの収益化へとつなげる戦略には、課題も指摘されています。
アリババは過去2年間、Qwenを無料で一般公開することで世界中にユーザーを増やしてきました。今回のクローズド化へのピボットは、米OpenAIや米Anthropicといった先端AI企業のビジネスモデルを踏襲したものです。つまり、まずは無料で広範な開発者や企業ユーザーを惹きつけ、その後、最先端のフラグシップモデルを有料化してエンタープライズ(企業向け)契約やAPI使用料から安定した収益を得るという手法です。同社は2026年の春節(旧正月)を起点に30億元(約600億円以上)のプロモーション予算を投入し、さらに2027年にかけてクラウドインフラの拡張を続ける予定です。
しかし、この戦略が成功するかどうかは、クローズド化された最新モデルが、すでに無償公開されている過去のQwenモデルよりも「圧倒的に優れているか」にかかっています。Qwenを自分でダウンロードし自社サーバーなどでホスティング(セルフホスト)している既存の企業ユーザーは、推論コストを他社に支払う必要がありません。アリババが彼らを有料APIへ移行させるためには、クラウドAPI経由で利用する方が、自前で過去のオープンソースモデルを運用するよりも信頼性が高く、なおかつコスト効率が優れていることを証明する必要があります。
アリババが今後、自社クラウドを通じた有料APIの利用にどれだけのエンタープライズ顧客を引き込めるかが注目されます。もし有料化への移行が失敗すれば、開発者たちは再び無償で利用可能なMetaの Llamaなどのオープンソースモデルに流出するリスクもはらんでいます。同社がクラウド料金の最適化と高性能なマネージドインフラの提供を両立できるかどうかが、今後のAI覇権争いにおける鍵となりそうです。
引用元:AI Weekly