AI関連の最新ニュースをピックアップ
急速に規模を拡大するGPU (画像処理半導体) 特化型クラウドサービス企業であるNscale (エヌスケール) は、2026年3月に20億ドル(約3,000億円)のシリーズC資金調達を完了し、評価額が14.6億ドルに達したことを明らかにしました。同社はNVIDIA (エヌビディア) やDell (デル)、大手金融機関から支援を受け、Microsoft (マイクロソフト) やOpenAI (オープンエーアイ) との超大型契約に基づく次世代AIインフラの展開を本格化させています。
Nscaleは、テキサス、ポルトガル、英国、ノルウェーの各データセンターにおいて、NVIDIAの次世代アーキテクチャ「Blackwell (ブラックウェル)」世代の最新GPUである「GB300」を約20万台導入する大型インフラ契約をMicrosoftと締結しました。また、OpenAIおよび投資会社Akerと共同で「Stargate Norway (スターゲート・ノルウェー)」というJV (合弁会社) を設立。2026年末までに10万台のGPUと230MW (メガワット) の給電能力を備えた巨大AIファクトリーの立ち上げを計画しています。
Nscaleは、ノルウェー北極圏のGlomfjord (グロムフィヨルド) 施設において、100%再生可能な水力発電による30MW(60MWに拡張可能)のクリーン電力を確保しており、AIデータセンターの課題である電力確保において強い構造的優位性を持っています。一方で、同社は一般企業向けの即時利用可能な価格設定やセルフサービス式の登録機能を提供しておらず、SemiAnalysis (セミアナリシス:半導体分析機関) による評価ではアクセス権が事実上取得できないとして最低評価の「Unavailable(利用不可)」とされるなど、超大手以外の顧客に対する提供方法に課題も残っています。
Nscaleの劇的な成長は、AIインフラの優劣が「GPUの調達能力」だけでなく「データセンター稼働に必要な電力の確保」へとシフトしている市場動向を示しています。同社は現在、MicrosoftやOpenAIなどの限られたメガテック向けに最適化された事業構造となっていますが、今後一般企業向けのセルフサービス利用枠が解放されるかどうかが、競合する neocloud (GPUに特化した新型クラウド事業者) との競争において鍵となります。

Spheron
Nscale Alternatives: 7 GPU Clouds Compared (2026)
Nscale alternatives for 2026: Nscale raised $2B, but SemiAnalysis rates it 'Unavailable' and pricing sits behind a sales form. 7 self-serve options compared.
https://www.spheron.network/blog/nscale-alternatives-7-gpu-clouds-compared-2026

NVIDIA、21万台のGPUを対象に「レベニューシェア型AIクラウド」を開始――好循環か、それともベンダーファイナンスのリスクか
NVIDIAがAIクラウド事業者向けにGPU残存価値を保証し、クラウド売上を分配する新モデルを開始。ドットコムバブル期のベンダーファイナンスに類似するとの懸念に対し、実需の存在など相違点も指摘される。
https://www.zaikei.co.jp/article/20260706/859916.html