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中国のAI(人工知能)開発企業であるディープシークは、2026年7月中旬に最新のフラッグシップAIモデル「DeepSeek V4」の正式版をリリースすると発表しました。これに伴い、同社はAPI(外部のプログラムからAIを呼び出して連携する仕組み)の利用料金として、業界初となる「時間帯別(ピーク時・オフピーク時)料金制」を導入します。現地時間で午前9時〜正午、および午後2時〜午後6時のピーク時間帯の利用料金は通常の2倍となり、それ以外のオフピーク時間帯は現在の低価格水準が維持されます。
電力やクラウドサービスの利用料金では一般的ですが、大規模なAIモデルのAPIに時間帯別の価格設定が導入されるのは初めての試みです。ディープシークはこれを「一律の値上げ」ではなく、混雑するビジネス時間帯のアクセス集中を回避し、サービス全体の安定性と応答速度を維持するためのデマンドシェイピング(料金調整によってアクセス集中を避ける手法)であると説明しています。
2026年4月に公開されたプレビュー版から進化し、正式版のDeepSeek V4ではすべてのラインナップにおいて標準で100万トークンのコンテキストウィンドウ(一度に読み込めるテキストの最大量)がサポートされます。また、複雑なタスクを自律的にこなすエージェント処理能力、数学的推論、およびプログラミングのコード生成能力が大幅に向上すると発表されています。
ディープシークは圧倒的な「低価格」を強みにシェアを拡大してきたため、多くの開発チームが今回の価格変更に注目しています。夜間の自動処理やバッチ処理(データを一定量まとめて一括処理する方式)などの即時性を求められないタスクは、意図的にオフピーク時間帯にスケジュールすることで、これまでと変わらない低コストで運用可能です。しかし、日中のユーザー対応システムなどのリアルタイム処理では、コストが倍増するため、価格モデルの計算をやり直す必要が生じます。
今回のディープシークの発表は、AI業界のボトルネックがモデルの開発・学習から「稼働時の処理コストとサーバー容量の確保(推論コスト)」に移っていることを明確に示しています。もしこの時間帯別課金がデータセンターの混雑緩和に成功すれば、同様に容量不足に直面している他の主要AIプロバイダー(サービス提供会社)も、一律の値上げや利用制限の代わりに、時間帯別料金の導入を検討し始める可能性があると見られます。
引用元:Let's Data Science | Source