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Microsoftは、AzureのKubernetes(AKS)環境においてAIエージェントの安全な運用とガバナンスを一元管理できる参照スタック「kars」を発表し、オープンソース(MITライセンス)として公開しました。karsは、動的に生成される指示(プロンプト等)を受け取るAIエージェントを「信頼できないコード」として扱い、カーネルレベルの隔離環境下で安全に実行・管理する基盤を提供します。
karsでは、各エージェントが使用するAIモデル、ツール、メモリ、MCP(Model Context Protocol)アクセスなどを、Kubernetesのカスタムリソース定義(CRD)として宣言します。これにより、OpenClaw、Hermes、LangGraph、Microsoft Agent Frameworkといった多様なフレームワークを使用するエージェントに対しても、個別のコードを変更することなく、単一のKubernetesポリシーでガバナンスを強制できます。
セキュリティ上の特徴として、Podごとのカーネル隔離(AKS Pod SandboxingによるKata VM隔離への容易な切り替え)や、エージェントプロセスからの機密情報の排除が挙げられます。また、クラスタ内のエージェント間の通信は、中継局(ブローカー)でも復号できない「Signal-Protocol」を用いたエンドツーエンド暗号化通信網「AgentMesh」で行われます。
本プロジェクトは、Microsoft Agent Governance Toolkit(AGT)やAzure Linux 4.0といったオープンなコンポーネントを組み合わせて構築されています。さらに、外部クラスタのエージェントと通信するための「A2Aプロトコル」もサポートされており、Kubernetesのセキュリティ標準(PSAやNetworkPolicy)に準拠した運用の実現を目指しています。
「kars」のリリースにより、企業のIT管理者はAIエージェントの運用をKubernetesの運用知識だけで管理できるようになります。今後は、自律ティア設定やマルチクラウドLLMプロバイダ対応、KarsKillSwitch(CRD)による緊急停止機能などのロードマップに沿って開発が進められ、安全なAI運用の標準規格となることが期待されます。