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米Microsoftは2026年6月、Power PlatformにおいてAIエージェントやアプリがSAPなどのERPデータにアクセスする際、接続設定をきめ細かく制御できるガバナンス機能「Advanced Connector Policies(ACP:高度なコネクタポリシー)」の一般提供(GA)を開始しました。あわせてSAP連携に関するドキュメントの刷新や、組織内で使われているコネクターと操作履歴を可視化する「Power Platform インベントリ」機能のパブリックプレビューも開始しています。これにより、基幹システムへのAIエージェントアクセスに伴うセキュリティとガバナンスが強化されます。
Microsoftは2026年6月4日、Power Platform向け「Advanced Connector Policies(ACP)」の一般提供を開始しました。従来のデータ損失防止(DLP)フレームワークでは、「特定のコネクター全体の使用を許可するか禁止するか」という大まかな制御しかできませんでした。新機能の「ACP」は、許可リスト(allowlist)に基づき、コネクターが実行できる具体的な「アクション」や、接続先の「Model Context Protocol(MCP)サーバー」レベルまで詳細に制御することができます。ポリシーは環境(Environment)ごとに最大1つ適用され、環境グループから継承するか直接設定します。これにより、AIが勝手に不要なERP操作(発注処理や在庫の変更など)を行うリスクを厳密に制限できます。
Microsoftは、6月11日の機能アップデートにて、Power Platform管理セクション内のSAP関連ドキュメントを27ページ以上にわたって刷新しました。対象には「SAP Procurement(調達)テンプレート」「SAP Supplier Self Service(サプライヤー自己サービス)」「SAP Setup Assistant」、さらには「SAPソリューション向けの認証設定」や「SAP ODataコネクタ向けMicrosoft Entra IDシングルサインオン(SSO)」が含まれます。さらに、全アプリ、フロー、AIエージェントが使用しているコネクターとその操作(オペレーション)を一覧表示できる「Power Platform インベントリ」機能のパブリックプレビューも開始され、管理者がポリシー適用の前に既存の接続依存関係をマップできるようになりました。
AIエージェントがERPシステムに直接アクセスして業務を代行するようになる中で、精密なアクセス制御と監査能力は極めて重要になっています。MicrosoftがアクションレベルおよびMCPサーバーレベルでのガバナンス機能を提供したことで、エンタープライズのCIOやIT管理者は、セキュリティやコンプライアンスを担保しながら自律的なAIエージェントの活用や自動化をスケールさせることが可能になります。今後は、接続性の良さだけでなく「AIの挙動をどれだけ精緻に統制できるか」が、ERP連携プラットフォームを選定する重要な基準となっていくと考えられます。