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アイデンティティ(身元やアクセス権限の証明情報)セキュリティ企業の米Silverfortは、Microsoftの「Copilot Studio」で構築されたAIエージェントに対し、リアルタイムで認証とアクセス制御を適用する統合機能を発表しました。本機能は、自律型AI(人手を介さず自ら判断し実行するAI)が特定のシステムやデータにアクセスしようとする瞬間に動作し、アクセスの可否を判断します。これにより、AIエージェントの特権昇格(本来持たない高い管理権限などを不正に取得すること)や不正操作を防ぐことができます。
Copilot Studioで構築されたエージェントは、企業内のデータを読み込み、クラウドやオンプレミスのシステムを横断するワークフローを自動で実行する能力を持ちます。しかし、エージェントが実行するアクションは、人間のユーザーや複数のマシンアイデンティティ(プログラムや端末などの識別情報)に紐付いており、複雑な権限の連鎖を生み出しています。これが特権昇格などのセキュリティリスクを高めていると指摘されています。Microsoftの調査によれば、Fortune 500企業の80%以上がローコードまたはノーコードツールで構築されたエージェントを導入しており、従業員の29%はすでに職場で未承認のAIエージェントを使用している状況です。
Silverfortの新機能は、エージェントが実行しようとする個々のアクションをリアルタイムで検証し、不要な権限の取得を未然にブロックします。また、すべてのアクティビティをログに記録して人間のユーザーと紐付けることで、監査用のログ情報(監査トレイル)も生成します。これにより、自社製やサードパーティ製を問わず、異なる種類のAIエージェントを一元管理するコントロールプレーン(システム全体を管理・制御する仕組み)としての運用も可能になります。
今回の統合機能は、Silverfortが2026年4月にAIネイティブのセキュリティ企業Fabrix Securityを買収したことで実現したものであり、同社のRuntime Access Protection技術が活用されています。今後はMicrosoftと共同で、プロンプトインジェクション(悪意ある入力によってAIを误動作させる攻撃)やジェイルブレイク(AIの制限や安全対策を突破・無効化すること)を検出する機能の開発も進める計画です。AIエージェントの導入が急拡大する中、こうしたランタイム(実行時)での高度な動的認証は、企業が安心してAIを活用するための不可欠な基盤になると見られます。