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イングランドの国民保健サービス(NHS England)は2026年6月8日までに、臨床医や事務職員を含む約50万5000人の全スタッフに対して「Microsoft 365 Copilot」のライセンスを提供し、AIの導入を大幅に加速させると発表した。本取り組みは、煩雑な事務作業をAIで効率化することにより、医療従事者が患者と直接向き合う本来のヘルスケア業務に専念できる時間を創出することを目的としている。
Microsoft 365 Copilotは、NHS内の幅広い職種で実務の効率化に貢献する予定である。
また、職員らはセキュリティが担保された環境でカスタムAIエージェント(特定の業務を自動化する対話型プログラム)を作成・デプロイできる「Copilot Studio」にもアクセス可能であり、各地域の「Trust(病院トラスト、NHSの地方運営組織)」特有の課題解決に役立てることができる。
今回の本格導入は、90のNHS組織に属する3万人以上の職員が参加した、医療分野としては世界最大規模の実証実験の成果に基づいている。 実証実験の結果、AIアシスタントの導入によってスタッフ1人あたり1日平均43分の事務時間が削減された。これは年間換算で1人あたり約5週間分に相当する。NHS全体に本展開が完了すれば、毎年数百万時間相当の事務作業時間が削減され、待ち時間の短縮や納税者に対するコスト効率の向上につながる見込みである。

多忙を極める公的医療の現場において、事務負担の軽減は世界共通の課題である。NHS Englandによる約50万人の規模でのMicrosoft 365 Copilot導入は、公的医療分野における生成AIの本格導入事例として、世界で最も野心的な「働き方改革」の一つと言える。 計画では最初の6ヶ月で20万ユーザー、12ヶ月で全対象者に拡大する予定で、包括的なオンボーディングや研修も提供される。この取り組みが成功すれば、他国の公共医療機関にとってもデジタル変革の重要なベンチマーク(指標となる成功例)となると見られる。