AI関連の最新ニュースをピックアップ
米AI新興企業のAnthropic(アンソロピック)は、サイバーセキュリティの向上を目指す共同開発プロジェクト「Project Glasswing(プロジェクト・グラスウィング)」の大幅な拡大を発表した。同プロジェクトは、セキュリティの脆弱性(ソフトウェアにおける安全上の欠陥)特定に特化した独自のAIモデル「Claude Mythos Preview(クロード・ミュトス・プレビュー)」をパートナー組織に提供する取り組みである。これまでの約50組織から、新たに約150の組織へとアクセス権を拡大する。今回の拡大により、電力、水、ヘルスケア、通信、ハードウェアといった社会の重要インフラを担う組織や、世界中のシステムが依存するオープンソースソフトウェア(一般にソースコードが無償公開され、自由な改変・再配布が可能なソフトウェア。OSS)のメインテナー(保守管理責任者)などが対象に加わる。
初期に参加した約50のパートナー組織による検証では、これまでにコードスキャンを通じて1万件を超える「深刻(critical)」または「高(high)」レベルのセキュリティ脆弱性が発見されています。Anthropicは、同様の脆弱性検出能力を持つAIモデルが今後6〜12ヶ月以内に他社からも公開され、悪用防止策(セーフガード)がない状態で広く流通するリスクを警告している。このため、攻撃側に対して防御側の優位性をあらかじめ確立する目的で、事前に厳格なセキュリティ要件を満たしたパートナー組織へアクセス権を先行して提供し、防御体制の構築を急ぐ。
多数の脆弱性を迅速に修正するためのボトルネック解消に向け、AIモデルを用いた自動パッチ(修正プログラム)作成や、ペネトレーションテスト(疑似サイバー攻撃による侵入テスト)、さらにはレガシーコード(過去に作成された古いシステムコード)のメモリ安全(メモリの不正操作によるバグや欠陥を防ぐ仕組み)なプログラミング言語への書き換えといった防御タスクの検証を進める。また、トレンドマイクロの法人向けブランドであるTrendAI(トレンド・エーアイ)などのセキュリティ企業も本プロジェクトへ新たに参加し、コード分析を通じた迅速な脆弱性対処と情報開示の仕組み作りに貢献する。
AI技術の発展はサイバー攻撃の自動化や高度化をもたらす一方で、防御側の能力を飛躍的に高める可能性も秘めている。Anthropicによる「Project Glasswing」の拡大は、国家や企業の重要インフラ、さらには現代のデジタル社会の基盤であるオープンソースソフトウェアの安全性をAIの力で底上げする重要な一歩となる。ただし、Strike GraphのCEOであるJustin Beals氏が指摘するように、アクセス権を与えるだけのクローズドなアプローチに対する懸念の声もあり、今後はツールの検証結果に対する高い透明性と継続的な基準策定が求められると見られる。

Anthropic、サイバーセキュリティ支援「Project Glasswing」を150組織に拡大 - www.anthropic.com
We’re extending Project Glasswing to approximately 150 new organizations in more than fifteen countries
https://www.anthropic.com/news/expanding-project-glasswing
SiliconANGLE
Anthropic expands Project Glasswing cybersecurity program to 150 organizations - SiliconANGLE
Anthropic expands Project Glasswing cybersecurity program to 150 more organizations - SiliconANGLE
https://siliconangle.com/2026/06/02/anthropic-expands-project-glasswing-cybersecurity-program-150-organizations

AI Watch
TrendAI、Anthropicの共同プロジェクト「Project Glasswing」へ参加 - Impress Watch
トレンドマイクロの法人向けブランドTrendAIは、Anthropicのソフトウェアの脆弱性特定・対処を目的とした共同プロジェクト「Project Glasswing」へ参加すると発表した。
https://ai.watch.impress.co.jp/docs/news/2114552.html