AI関連の最新ニュースをピックアップ
流動的基底モデル(Liquid Foundation Models)を開発する米 Liquid AI(MIT発のAIスタートアップで非Transformer系の基底モデルを開発) は2026年10月23日、極めて高い応答速度が求められるリアルタイム処理向け推論エンジン「Liquid RIPL」を発表した。検索エンジンのランキング生成やECのレコメンド、クレジットカード等の決済承認など、ミリ秒単位の遅延削減がビジネス価値に直結する処理に特化して設計されている。オープンソースの主要推論エンジン「vLLM(大言語モデルの高速・高効率なサービングを行うオープンソース推論エンジン)」と比較して最大14.4分の1の低遅延推論を達成した。

従来のLLMサービングでは秒間処理数(スループット)の向上が重視される傾向があったが、ユーザーの検索や決済処理にAIを介在させるシステムでは、最初のトークン出力や全体の応答時間(レイテンシ)を数ミリ秒から数十ミリ秒以内に抑える必要がある。Liquid RIPLはこうした要件を満たすため、Liquid AI製のモデルと組み合わせた最適化が施されている。
発表されたベンチマークによると、以下の性能向上が示された。
Liquid RIPLは、エンタープライズ向けのハードウェア環境に対応している。
本発表における独自性の整理と、導入検討にあたって確認すべき留意点は以下の通りである。
AIエージェントが複数の思考ステップや検索クエリを逐次実行するワークフローが普及するにつれ、1回の推論にかかる遅延の蓄積がシステム全体のボトルネックとして顕在化している。
特に検索や決済のような即時応答が必須のインフラにおいて、バッチスループットよりも単一リクエストのレイテンシを徹底的に削る推論エンジンの登場は、リアルタイムAI応用の実現性を大きく高めるとみられる。Liquid AIが提唱する非Transformer型アーキテクチャの推論効率の強みが、実運用の場面でどこまで浸透するか注目される。
引用元:GIGAZINE