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米Appleが2026年10月中に配信を予定しているiPhone向け最新OS「iOS 27.2」において、Apple Intelligence(Appleが開発する個人向けAIシステム)を活用したAIエージェント機能「Siri AI」の日本語版が提供される見通しとなった。現在は英語のベータ版として先行提供されているが、近く配信されるアップデートによって、日本語での音声指示や端末内データを横断した高度なアクションの実行が可能になる。パブリックベータ版はすでにRC版(製品版直前のリリース候補版(Release Candidate))まで到達しており、ITmedia Mobileの先行検証によりその実力と課題が明らかになった。

Siri AIは、iPhone内のパーソナルデータや利用文脈を解析し、音声指示に応じて複数アプリにまたがる複雑な操作を自律的に代行する機能である。iOS 27.2ではSiri AI専用の検索インデックスが事前に生成されており、機能を有効化すると即座に利用を開始できる。
先行検証では、連絡先や対話履歴を文脈から識別する能力が示された。例えば「子どもに、今日の宿題はやったとメッセージして」と発話した場合、連絡先の中から特定の子どもを自動判別して送信先を設定できる。また、「田中さんに、今、Siri AIの原稿を書いていますとMessengerで送って」と指示した際には、登録されている複数の同姓者の中からやり取りの頻度などを踏まえて意図した相手を特定し、MetaのMessengerアプリを通じたメッセージ作成が行われた。画面表示の内容を認識した処理や、複数アプリをまたぐタスク実行が自然言語で可能となっている。
2024年のWWDCで構想が発表されて以来、OSへの実装延期が繰り返されてきたSiri AIだが、2026年6月にGoogleとの協業によるApple Foundation Modelsの刷新(Geminiの蒸留技術の導入)を経て、ようやく実用レベルへと到達した経緯がある。
日本のユーザーにとって、長らく英語圏に限定されていたAIエージェント機能が日本語でネイティブに動作する恩恵は極めて大きい。日常的な連絡やスケジュール調整などの操作を音声のみで効率化できる期待が高まる。一方で、今回の実機検証ではいくつかの課題も浮き彫りとなっている。第1に、Apple純正アプリや一部の主要アプリ以外のサードパーティ製アプリにおける対応状況がまだ限定的である点。第2に、複雑な文脈推論を行う際の応答速度にタイムラグが生じる場面がある点だ。また、プライバシー規制の観点から欧州連合(EU)域内や中国本土では提供対象外とされている制約も継続している。
これまでの音声アシスタントが単一のコマンド実行にとどまっていたのに対し、Siri AIは画面情報の読み取りやパーソナルコンテキストの理解を組み合わせた「アクション実行型エージェント」へと進化を遂げている。iPhoneの端末内データに直接アクセスできるOSベンダーならではの強みを生かし、先行するサードパーティ製AIアシスタントとの差別化を図る狙いとみられる。今後の正式配信に向けて、サードパーティ製アプリのエコシステム拡大と推論速度の最適化が、ユーザー体験向上の鍵を握るだろう。
引用元:ITmedia Mobile