AI関連の最新ニュースをピックアップ
米SpaceX(米民間宇宙・インフラ企業)は米国時間10月20日、2026年第3四半期(7〜9月期)決算を発表した。AI部門である「Super Intelligence(SI)」の売上高が前年同期比830%増の約75.6億ドルに達し、衛星通信サービス「Starlink(SpaceXの衛星ブロードバンド通信事業)」を逆転して全社売上の過半数を占めた。全社の四半期純利益は44億400万ドルを記録し、上場後初となる四半期黒字化を達成した。

SpaceXの第3四半期売上高は前年同期比161%増の約145億8000万ドルとなり、市場予想(127億2000万ドル)を大きく上回った。営業利益は27億9100万ドル、純利益は44億400万ドル(前年同期は10億5400万ドルの赤字)となった。純利益が営業利益を上回った要因には、受取利息(8.73億ドル)やその他収益(10.25億ドル)、法人税還付(3.90億ドル)の計上が寄与している。
今期から「Artificial Intelligence」から改称された「Super Intelligence(SI)」部門の売上高は前四半期比でも195%増となる75.6億ドルへ急伸し、営業利益も4.31億ドルと黒字転換を果たした。
SI部門の成長を牽引したのは、外部企業への計算資源(データセンターコンピュート)の提供と、8月に買収を完了したAIコーディングツール「Cursor(AIコードエディタ)」(買収後9月末までに6.08億ドルの売上寄与)である。SpaceXは2026年2月にxAI(イーロン・マスク氏設立のAI企業)を買収しており、自社データセンターの余剰計算能力をAnthropicやGoogleなどの大手テック企業に貸し出している。Googleとの間では、2026年10月から毎月9.2億ドルが支払われる大型契約が結ばれている。
英大手金融機関Hargreaves Lansdown等の分析資料およびSEC提出書類によると、急成長の裏でSpaceXの収益構造には大きな偏りと課題が存在している。
| セグメント | Q3売上高 | 全社売上比率 | 営業利益への寄与 | 主な特徴と課題 |
|---|---|---|---|---|
| Super Intelligence (AI) | 75.6億ドル | 約52%(過半数) | 約15%(利益率5.7%) | 計算資源レンタル好調、Cursor買収株式報酬(234億ドル)が重荷 |
| Connectivity (Starlink) | 約70.2億ドル | 約48% | 約85%(主利益源) | 契約者数1,360万人、営業利益の大半を稼ぎ出す安定基盤 |
売上高の過半数をAIが占める一方、営業利益の約85%は依然としてStarlinkが稼ぎ出している。SI部門の利益率はCursor買収に伴う巨額の株式報酬負担(総額234億ドル)などにより5.7%にとどまる。
さらにキャッシュフロー面では、AIデータセンター拡張に伴う巨額の設備投資(Capex)が継続している。第3四半期の設備投資額は195億9300万ドルに達し(その84%がSI部門向け)、フリーキャッシュフローは100億ドルの大幅な流出(マイナス)となった。同社は第4四半期の設備投資を350億〜400億ドルへと倍増させる見込みである。
SpaceXの事業体質は、「宇宙開発企業」から「宇宙事業が付属した巨大AIインフラ企業」へと急速に変容しつつある。同社は2026年末までに約3ギガワット(GW)、2027年にはさらに10GWのデータセンター容量を追加する野心的な計画を掲げている。現在の計算資源不足を背景に、同社幹部は「導入した計算資源は1年未満で投資回収できている」と強気姿勢を崩さない。
しかし、年間10GWという前例のない規模でのデータセンター建設には、土地・電力・冷却水・GPUチップの調達といった物理的なボトルネックが立ちはだかる。足元ではStarlinkが生み出すキャッシュフローと外部資金調達によって設備投資を賄っているが、投資回収が計画通りに進むか、そして今後予定されるロックアップ解除に伴う株式の需給動向を含め、成長スピードと財務リスクのバランスが厳しく問われる局面が続く。
引用元:Iolite | Hargreaves Lansdown

SpaceX(スペースX)決算、AI事業の売上がStarlinkを逆転 上場後初の黒字に
SpaceX(スペースX)の2026年7〜9月期決算で、AI事業の売上高がStarlinkの通信事業を逆転し、上場後初の黒字となった。一方、利益の約85%はStarlinkが稼ぐ。10月に始まったGoogleとの大型契約や、決算後の株価の動きも整理。
https://iolite.net/news/spacex-q3-2026-earnings-super-intelligence

Hargreaves Lansdown
SpaceX (Q3 Results): AI powers a big beat
SpaceX breezed past expectations as its AI business turned profitable, but heavy investment means cash is still flowing out fast.
https://www.hl.co.uk/shares/share-research/spacex-q3-results-ai-powers-a-big-beat