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中国のAI新興企業DeepSeek(低コストで高性能な推論モデルを開発する中国AI企業)とファーウェイ(Huawei)が、次世代AI半導体「Ascend(Huaweiが開発するAIアクセラレーターシリーズ)」の共同設計(コデザイン)で緊密に連携していることが、米メディアThe Informationの報道などにより判明した。ファーウェイの技術者がDeepSeekのオフィスに長期常駐し、モデルの計算方式やプロセッサ間のデータ転送要件をチップの回路設計へ直接反映させている。米国の輸出規制により米NVIDIA(GPU最大手の米半導体メーカー)製チップの調達が困難になるなか、ハードウェアとソフトウェアが一体となった中国独自の垂直統合型AI計算基盤の構築を急ぐ。
報道によると、DeepSeekは2026年末にもファーウェイの「Ascend 950DT」上でフロンティアモデルの事前学習を開始する計画である。さらにファーウェイは、2027年第1四半期に投入予定の次世代学習用チップ「Ascend 960DT」について、供給量の大部分をDeepSeekに割り当てる方針とされる。
ソフトウェア面での連携も進んでおり、DeepSeekは2026年9月30日に北京大学主導のオープンソース言語「TileLang」のAscend 950対応版を公開した。TileLangはNVIDIAのCUDA代替として位置づけられている。またブルームバーグの報道によると、DeepSeekは推論用途として内モンゴルのデータセンターに少なくとも16万基のAscend 950DTを配備する計画を進めている。ファーウェイ側も960DTの投入計画を3四半期前倒しし、2028年に970、2029年に980と、毎年新世代チップを市場投入するロードマップを掲げている。
米国の主要AIラボとクラウド事業者の組み合わせ(Google DeepMindとTPU、AnthropicとAWS Trainium、OpenAIとBroadcom設計カスタムチップ)と同様に、中国でもモデル開発企業と半導体メーカーの協調が進む。しかし、先行するNVIDIAスタックとの差は依然として大きい。
| 項目 | NVIDIAスタック(米国陣営) | Huawei + DeepSeek(中国陣営) |
|---|---|---|
| 主力ハードウェア | NVIDIA B300(Blackwell世代) | Huawei Ascend 950DT / 960DT |
| 演算性能比(Epoch AI推計) | 基準(約7倍の理論演算性能) | B300の約7分の1 |
| ソフトウェア基盤 | NVIDIA CUDA | TileLang(オープンソース) / CANN |
| 製造・メモリ制約 | TSMC最先端プロセス、HBM3e | TSMC利用不可、HBM調達制限あり |
未確認事項として、共同設計や供給計画は関係者の証言に基づく報道であり、両社からの公式コメントは行われていない。また、フロンティアモデルの大規模事前学習には1万基以上の950DTを数週間にわたり安定稼働させる必要があるが、大規模クラスタ管理ソフトウェアの完成度やチップ供給能力には懸念が残る。過去には密輸されたBlackwellチップをモデル学習に利用したとも報じられており、完全な国内半導体移行への過渡期にある。
米国土安全保障省(DHS)が連邦文民機関に対してDeepSeek製品の排除命令を発令した直後に本動向が浮上した点は象徴的である。米国の規制圧力が強まるにつれ、中国国内ではハードウェアからフレームワークまでを一貫して内製化する動機が一段と強まっている。
DeepSeekが国産半導体上でのフロンティアモデル事前学習に成功すれば、中国の他社ラボにとってもNVIDIA代替の実行可能な青写真となり、米中のAI競争は「チップ調達の制裁合戦」から「独立した2つのハード・ソフト生態系による競争」へと局面を変える可能性がある。
引用元:Dealroom.co