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米MicrosoftのAI部門であるMicrosoft AIは、独自開発のフロンティア基盤モデル「MAI-Base-2(Microsoftが自社開発する総2.8兆パラメータの基盤モデル)」の事前学習(大量のデータを用いてモデルの基礎的な言語・推論能力を獲得させる初期フェーズ)を完了したと発表しました。総パラメータ数2.8兆、推論時に動作するアクティブパラメータ800億のMoE(複数の専門家ネットワークを動的に切り替えて推論する疎結合アーキテクチャ)構成を採用し、1万6000基のGB200 GPUを用いて38日間にわたり学習が実施されました。

発表によると、MAI-Base-2は2026年6月に発表された推論モデル「MAI-Thinking-1」の土台となった前世代モデル「MAI-Base-1」(総パラメータ1兆、アクティブ350億)の後継にあたる基盤モデルです。2026年8月から9月にかけて、1万6000基のGB200 GPUを稼働させて事前学習を行いました。
学習データは全50兆トークンに達し、MAI-Base-1と比較して規模が約36%拡大しています。言語データだけでなく、全体の18%を画像などの視覚データが占めており、画像を読み取る専用エンコーダーを持たず、最初から視覚と言語をまとめて学習するネイティブなマルチモーダル構造として設計されています。Webコンテンツの知識範囲は2026年3月までを対象としており、品質分類や重複排除パイプラインの大幅な改善が施されました。
さらに、他社の大規模モデルからの「蒸留(Distillation)」を行わず、自然由来のデータと自社インフラのみで学習を完結させたフルスタック構成が強調されています。オープンウェイトのフロンティアモデル「DeepSeek-V4-Pro-Base」との比較評価では、事前学習の計算量を12分の1(効率で4〜12倍)に削減しながら同等水準のスコアを達成したと主張しています。
MAI-Base-1とMAI-Base-2の主な仕様差は以下の通りです。
| 項目 | MAI-Base-1(前世代) | MAI-Base-2(今回発表) |
|---|---|---|
| 総パラメータ数 | 約1兆(1T) | 2.8兆(2.8T) |
| アクティブパラメータ数 | 350億(35B) | 800億(80B) |
| アーキテクチャ | MoE(言語主体) | ネイティブマルチモーダルMoE |
| 学習データ規模 | 非公開 | 50兆トークン(視覚データ18%) |
| 学習インフラ | 非公開 | GB200 GPU × 1万6000基(38日間) |
| 重みの提供方針 | クローズド運用 | Foundry経由でのライセンス提供方針 |
GIGAZINEの報道では、オープンウェイトモデルとのベンチマーク性能比較や、すでに次世代基盤モデル「MAI-Base-3」の準備に着手している点が強調されています。一方でビジネス+IT(SBBIT)の報道では、学習データの出どころをMicrosoftが完全に説明できるため、モデルの重み(weights)をクラウドプラットフォーム「Foundry」を通じて信頼できるパートナー企業へライセンス提供する方針である点や、画像専用エンコーダーを排除したアーキテクチャの狙いに焦点が当てられています。
なお、一般ユーザー向けへの直接提供スケジュールやAPI利用料金などの商用条件については、現時点で両メディアともに未公表と報じています。
今回の事前学習完了は、MicrosoftにとってOpenAIのモデル提供に依存してきた構造からの転換点となる重要な布石とみられます。推論モデルMAI-Thinking-1に続き、基盤となる事前学習モデルでも2.8兆パラメータ級の巨大MoEを自前で開発・制御できる能力を実証した形です。
蒸留に頼らないクリーンな学習データセットで構築されている点は、知的財産権やコンプライアンスを重視する企業顧客へのライセンス展開において大きな強みとなります。現在はポストトレーニング(事後学習)の段階にあり、調整完了後はAzureのエンタープライズ向けサービスやCopilot製品群の中核として順次統合されていく見通しです。
引用元:GIGAZINE | ビジネス+IT | Microsoft AI

GIGAZINE
Microsoftが2.8兆パラメータの基盤モデル「MAI-Base-2」の事前学習完了を発表
総パラメータ数が2.8兆になるAIモデル「MAI-Base-2」の事前学習が完了したと、Microsoftが発表しました。
https://gigazine.net/news/20261016-microsoft-mai-base-2

ビジネス+IT
マイクロソフト、基盤モデル「MAI-Base-2」の事前学習完了 総2.8兆パラメーターのMoE
米マイクロソフトは10月15日(米国時間)、AI部門が自社開発の基盤モデル「MAI-Base-2」の事前学習を完了したと発表した。総パラメーター2.8兆、アクティブ800億のMoE構成で、DeepSeekのモデルより事前学習の計算効率が4~12倍高いと主張する。現在はポストトレーニング中で、重みはFoundry経由で提供する方針という。
https://www.sbbit.jp/article/cont1/187508

Microsoft AI
Frontier Pre-training at Microsoft AI
https://microsoft.ai/news/frontier-pre-training-at-microsoft-ai