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米Anthropicの高度推論AIモデル「Claude Mythos(Anthropicが開発する高度な推論と研究向けフロンティアモデル)」の支援を受けて発見されたオープンソースファイルサーバー「Rejetto HFS」の深刻なゼロデイ脆弱性(CVE-2026-61500、CVSSスコア9.3)について、実際の攻撃者による悪用・偵察活動が観測されたことが明らかになりました。セキュリティ企業VulnCheckの監視網により、日本および米国のシステムに対するプローブ活動が検知されています。
今回の脆弱性は、Rejetto HTTP File Server(HFS)のバージョン3.0.0から3.2.0に存在したものです。セキュリティ研究企業Horizon3.aiのZach Hanley氏が、Anthropicの「Project Glasswing」の一環としてClaude Mythosを活用して発見し、2026年7月13日に公表されました(HFS 3.2.1で修正済み)。
Mythosが特定した攻撃シナリオは、単一のコード欠陥ではなく複数の弱点を組み合わせた高度なものでした。
Math.random()(xorshift128+アルゴリズム)で生成していましたが、同一の乱数系列から生成された値がログインセッションCookie経由で外部に漏洩していました。人間の研究者であれば実証の難しさから見過ごしかねない「数学的計算を要する暗号弱点」が、AIによって実用攻撃へと昇華された点が最大の特徴です。
| 検証項目 | 従来の人手による調査アプローチ | Claude Mythosによる解決手法 |
|---|---|---|
| 乱数弱点の評価 | 実用攻撃の成立証明に膨大な工数を要するため断念されがち | 署名鍵生成と別経路の乱数漏洩を自律的に紐づけて分析 |
| 内部状態の逆算 | 総当たり手法を検討するが計算コストから実証困難 | Z3ソルバーへの制約入力を導き出し12回の観測値から鍵復元 |
| 攻撃チェーン完成 | 理論上の指摘(Suspicious報告)にとどまるケースが多い | 認証回避から管理者権限取得、任意コード実行までPoCを完遂 |
VulnCheckの報告によると、10月2日時点で中国テレコムのIPアドレスから発信されたCVE-2026-61500狙いの偵察プローブが、日本と米国のCanaryデプロイ(おとり検知環境)で実際に観測されています。
今回の事例は、AIモデルが高度な数学的推論と外部ツール(SMTソルバー)を自律的に連携させることで、これまで「攻撃コストが高く兵器化されにくい」と考えられていた脆弱性の悪用障壁を劇的に引き下げたことを証明しています。サイバーセキュリティの現場では、攻撃者側にも同様のAI推論ツールが普及することを前提に、複雑なロジック欠陥を迅速に塞ぐ継続的監査体制の構築が急務となっています。
引用元:Security Affairs