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Microsoftは、Microsoft 365(M365)およびLinkedInの統括責任者を務めるエグゼクティブバイスプレジデント(EVP)のライアン・ロスランスキー(Ryan Roslansky)氏が退任すると発表した。同氏はLinkedInに約18年在籍し、2020年からCEOとして同社を13億人の会員基盤へと拡大させた後、直近1年間はM365とCopilot(Microsoftが提供する生成AIアシスタント機能)をシームレスに統合する基盤づくりを指揮してきた。今回の体制移行に伴い、LinkedIn経営陣がサティア・ナデラ(Satya Nadella)会長兼CEOへ直接報告する新体制へ刷新される。
公式ブログで公開されたナデラCEOおよびロスランスキー氏の社内メッセージによると、ロスランスキー氏は2026年末までナデラCEOのアドバイザーとして留まり、円滑な職務引き継ぎを支援する。
退任に伴い、即日有効となる新たな指揮系統(レポートライン)が公表された。
ロスランスキー氏はメッセージの中で、次のフェーズを主導するためにはワシントン州レドモンド本社へ常駐する必要がある一方、自身の生活と家族の拠点がサンフランシスコ・ベイエリアにあることから、家族との時間を尊重し退任を決断したと説明している。
今回の刷新により、M365のAI推進とLinkedInの自律的なプラットフォーム運営が分離・再編成された。
| 領域/役職 | 従来の体制(ロスランスキーEVP統括) | 新体制(移行後) | 直属の上級幹部 |
|---|---|---|---|
| LinkedIn CEO | ロスランスキー氏統括 | Dan Shapero氏が継続 | Satya Nadella CEO直接 |
| LinkedIn 技術統括 | ロスランスキー氏統括 | Mohak Shroff氏が継続 | Satya Nadella CEO直接 |
| M365 コア開発 | ロスランスキー氏統括 | Sumit Chauhan氏 / Lan Ye氏 | Charles Lamanna氏 |
| M365 デザイン設計 | ロスランスキー氏統括 | Jon Friedman氏 | Jacob Andreou氏 |
ロスランスキー氏が直近1年間で推進してきた最大の取り組みは、「OfficeがCopilotに組み込まれ、CopilotがOfficeに組み込まれる」という双方向の統合体験(新しい仕事のOS)の基盤構築であった。製品基盤が整ったタイミングでの退任となったが、主要な開発ラインはPower Platformやビジネスアプリケーションで実績のあるチャールズ・ラマナ氏らに引き継がれるため、企業向けロードマップの継続性に大きな混乱はないとみられる。
未確認事項として、M365全体を単一で統括する新たな専任EVPを後任として外部採用または社内昇格させるのか、あるいはラマナ氏らが管轄を恒常的に兼任するのかについて、現時点では言及されていない。
今回のリーダーシップ刷新は、AI機能の「試行導入期」から「主力ビジネスの収益化・定着期」へ移行したMicrosoftの組織的成熟を反映している。13億人の専門職ネットワークを持つLinkedInをナデラCEOの直接管轄下に置くことで、労働市場データとCopilotの連携をさらに強固にする狙いがうかがえる。また、M365開発の実務をクラウド&AI基盤のキーパーソンであるチャールズ・ラマナ氏へ集約させたことは、エンタープライズAI機能のAzureインフラとの一体化を加速させる布石と評価できる。