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中国Alibaba(アリババ)は2026年9月28日、対話型AIアプリ「千問App(Qwen(アリババが開発する大規模言語モデルおよびAIアシスタント))」と、同社傘下のクラウドストレージサービス「クオークネットディスク(Quark Netdisk / 夸克网盘)」の深層連携機能を発表した。ユーザーがアカウント連携を承認することで、クラウドストレージに保存されている文書や写真などの個人データをAIの作業コンテキストとして直接参照できるようになり、保存資料の要約や復習ツールの作成、写真アルバムの自動生成が可能になる。
今回の機能統合により、クオークネットディスクはユーザーとAIが共有するデータ資産センターとして位置付けられる。具体的な操作として、ユーザーは千問Appのメインチャット画面で「@夸克网盘」とメンションを入力してストレージ機能を呼び出すか、ワークアシスタント内で公式の「夸克网盘管理」スキルを選択することで、ストレージ内のファイルを指定した処理を実行できる。
取り扱うデータは主に学習資料と写真の2分野が想定されている。学生は保存された講義資料をもとに千問へ直接質問したり、練習用の復習問題を生成させたりできる。また、大量に蓄積された写真に対しては、テーマ別のアルバム作成や、適切な写真を自動選定したポスター画像の生成を千問に指示できる。さらに、千問が作成したドキュメントを直接ストレージへ自動アップロードして家族やチームで共有することも可能で、複数のAIエージェント(自律的にタスクを計画・実行するAIソフトウェア)が同一資料を参照して協調作業を行うワークフローにも対応する。
機能連携に合わせて会員特典の統合も発表された。千問Appの「精英」以上の有料プラン(精英・旗艦・智尊)を契約したユーザーには、契約期間に応じたクオークネットディスクの会員資格が無償付与される。学生や教員向けの教育割引を適用した場合、両サービスを合わせた月額料金は最安25元(人民元)で利用可能となる。
今回の機能は、Alibabaが中国国内向けに提供する消費者向けAIサービスとクラウドストレージの統合施策であり、現時点では中国の電話番号や現地アカウント体系に紐付いた提供となっている。
日本の利用者や開発者に対する直接的な提供については発表内で言及されておらず、グローバル版Qwenや国際向けクラウドストレージとの連携時期、日本語環境でのUI対応などは未確認事項となっている。ただし、モデルやアシスタント単体の性能にとどまらず、既存のクラウドストレージ基盤をAIのコンテキストとして直結させるアプローチは、今後のパーソナルAIアシスタントの方向性を示す事例として注目される。
従来のクラウドストレージはファイルの一時保管やバックアップを用途としていたが、AIアシスタントが直接読み書きできるコンテキストとして組み込まれることで、受動的なデータ保管庫から能動的な知識ベースへと役割が変化しつつある。
編集部注: 単なるチャットボット機能の提供から、ユーザーの個人データ資産を中心としたエコシステムの囲い込みへと各社の戦略が移行しており、アリババによる自社ストレージ資産の活用はその代表的な動きとみられる。
引用元:品玩