AI関連の最新ニュースをピックアップ
米マイクロソフトは2026年9月12日(現地時間)、オフィス業務向け生成AI支援ツール「Microsoft 365 Copilot(WordやExcelなどの業務アプリに統合された生成AI機能)」において、SpaceXAI(旧xAI。イーロン・マスク氏率いるAI企業)のAIモデル「Grok(推論能力や数学的処理に強みを持つ大規模言語モデル)」を選択肢として追加したと発表しました。まずは早期アクセス制度である「Microsoft Frontier Program」に参加している組織を対象に、Microsoft Word、Excel、PowerPointでのプレビュー提供を順次開始します。
今回の統合に伴い、SpaceXAIはマイクロソフトのオンラインサービスにおける「下請処理業者(クラウドサービスの提供にあたり顧客データの処理を委託する第三者企業)(Subprocessor)」リストに正式追加されました。
Grokモデルへのアクセス機能は、意図しないデータ送信を防ぐため、既定では無効(オフ)に設定されています。組織内で利用するには、企業のIT管理者が管理センターの専用設定画面からSpaceXAIの利用規約を承認し、明示的にオプトイン(有効化)する必要があります。有効化後は、WordやExcelの操作画面上にあるモデル選択メニューからGPT系モデルやClaude、Grokを手動で切り替えるか、Copilotによる自動最適選択を利用できるようになります。
また、出力のトーンについてはマイクロソフト独自のシステムプロンプトと企業向けガードレールが適用されるため、ソーシャルメディア上で見られるような過激・皮肉な文体ではなく、ビジネス文書に適した専門的なトーンに調整されます。
なお、法規制やコンプライアンス上の理由から、欧州連合(EU)、欧州自由貿易連合(EFTA)、英国(UK)のユーザーは今回のプレビュー対象外とされています。
今回のGrok追加は、利便性の向上と同時に企業ガバナンス上の重要な論点を提示しています。
| 項目 | マイクロソフト標準環境 | SpaceXAI(Grok)選択時 |
|---|---|---|
| データ処理場所 | マイクロソフト管理下のデータセンター | SpaceXAI管理サーバー(外部委託) |
| 適用契約・規約 | Microsoft 製品条項・DPA | xAI エンタープライズ利用規約・DPA |
| 著作権補償 | 著作権コミットメント(CCC)適用 | マイクロソフトのCCCは適用外 |
| 初期状態 | 標準有効 | 既定で無効(管理者の明示承認が必要) |
報道各社の整理によると、利用者がGrokを選択した場合、プロンプトや対象文書のデータはマイクロソフトの管理環境外にあるSpaceXAIのインフラへと送信されます。そのため、マイクロソフトが通常提供しているデータ保管地域(データレジデンシー)の保証や「Customer Copyright Commitment(顧客著作権コミットメント)」はSpaceXAIによる処理には適用されず、xAI側のエンタープライズ規約が適用される点に注意が必要です。
また、発表資料では導入される具体的なモデルバージョン(Grok 4.6など)は明記されておらず、コンテキストウィンドウ長や処理能力の詳細は検証段階にあります。
マイクロソフトはこれまで、OpenAIのGPTモデルを主力としつつ、AnthropicのClaudeモデルを「Researcher Agent」などに採用するなど、複数学習済みモデルを取り込むマルチモデル戦略を推進してきました。
今回のSpaceXAIモデルの追加は、Copilotが単一ベンダーのAIラッパーから、用途に応じて最適なモデルを使い分ける「AIスイッチボード(交換台)」へと変貌しつつあることを裏付けています。業務の性質に応じて数学的推論や市場分析に強みを持つGrokを選べる自由度は開発者やビジネスユーザーにとって大きな利点となる一方、企業のセキュリティ担当者にとっては、機密データを外部プロバイダーへ流してよいかを判断する運用設計が強く求められることになります。
引用元:TECHCOMMUNITY.MICROSOFT.COM | Windows Central | Office-Watch
TECHCOMMUNITY.MICROSOFT.COM
Expanding model choice in Copilot with Grok
We are expanding model choice in Copilot with the addition of Grok models from SpaceXAI.   
https://techcommunity.microsoft.com/blog/microsoft-copilot-blog/expanding-model-choice-in-copilot-with-grok/4555749

Windows Central
Grok is now in Microsoft Copilot, but don't expect snark in your spreadsheets
Microsoft added xAI to its subprocessor list, allowing enterprise users to choose to have Grok power Copilot in Word, Excel, and PowerPoint.
https://www.windowscentral.com/artificial-intelligence/microsoft-copilot/grok-is-now-in-microsoft-copilot-but-dont-expect-snark-in-your-spreadsheets

Office Watch
Grok AI in Microsoft 365 Copilot
Microsoft has added Grok AI from SpaceXAI as a model option in Copilot for Word, Excel and PowerPoint. Before you turn it on, there are privacy trade-offs and r
https://office-watch.com/2026/grok-ai-microsoft-365-copilot