AI関連の最新ニュースをピックアップ
マイクロソフトは、同社のオンラインサービスにおけるAIモデルの選択肢を広げるため、OpenAIを正式な「サブプロセッサー(データ処理の外部委託先)」に追加したことを発表しました。2026年7月9日より、Microsoft 365の管理センターを通じて、組織内でOpenAIが直接運営するAIモデルを有効化することが可能になりました。
これまでMicrosoft 365 Copilotなどのビジネス向けサービスでは、マイクロソフトが自社の安全な環境下で運用する「Azure OpenAI(マイクロソフトが自社インフラで運営するOpenAIモデル)」のみが提供されていました。今回、OpenAI自体をサブプロセッサーとして認定し、同社が直接運営するモデルも利用可能にすることで、新しいAI技術や機能向上の早期取り込みとモデル選択の柔軟性を実現します。なお、この仕組みを利用するにあたっては、マイクロソフトの製品規約やデータ保護追加契約(DPA)が適用され、エンタープライズ(企業)向けのデータ保護やセキュリティ基準が維持されます。
現在、OpenAIが運営するモデルの利用は全テナントで初期設定として「無効」になっています。利用にあたっては、テナントの「グローバル管理者」または「AI管理者」の権限を持つユーザーが、Microsoft 365 管理センターの「Copilot」>「設定」>「AI providers operating as Microsoft subprocessors」からOpenAIを有効にする必要があります。なお、2026年7月24日以降は、該当する商用テナントにおいて自動で有効化(デフォルトオン)される予定となっており、不要な場合は明示的に無効化(No users)する必要があります。

この直接運営モデルは、現時点では一部のデータ処理地域制限(in-country processing commitments)の対象外となるほか、政府系クラウドやソブリンクラウド(国家独自のセキュリティ要件を満たすクラウド)では利用できません。また、PCI DSS(クレジットカード業界の安全基準)やSOC 1 Type 2などの一部のセキュリティ認証は対象外となっている点に留意が必要です。
OpenAIをサブプロセッサーに追加することで、同時期に発表された「GPT-5.6」などの新モデルをMicrosoft 365 Copilot上でいち早く活用できるようになります。企業にとっては、最新のAI機能をビジネスに即座に取り入れる道が開かれる一方で、データの所在や特定のコンプライアンス要件に厳しい業界では、慎重に設定を管理する必要があると見られます。