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アリババ(Alibaba)グループ傘下の主要ECプラットフォーム「天猫(Tmall)」は2026年9月3日、中国国内の大手人工知能(AI)ベンダー各社の利用枠(トークン:AIがテキストやコードを処理する課金単位)を直接購入できる統合窓口「AI空間站(Token充値中心)」を正式にローンチした。従来は開発者向けに各社公式サイト経由で販売されていたサブスクリプションや利用クレジットを、携帯電話の通信料金チャージと同じ感覚で手軽に購入できる消費者向けEC商品として提供する。

「AI空間站」には、アリババクラウド(阿里云)をはじめ、智譜(Zhipu AI)、Kimi(Moonshot AI)、MiniMaxといった中国国内の主要な基盤モデル提供企業が集結している。販売される商品体系および提供形態は以下の通りである。
利用者は「淘宝(Taobao)」アプリの検索バーに「token」と入力して特設会場に直接アクセスするか、「充値中心(Recharge Center)」内の「AI模型」メニューから対象商品を選択して購入できる。
前日の9月2日には、智譜が天猫に公式旗艦店を開設してCoding Planなどの販売を開始したところ、開設初日の検索数が前日比40倍に急増しており、一般向けECにおけるAIサービスへの関心の高さが実証されていた。
各メディアの報道からは、アリババの戦略的狙いが立体的に浮かび上がる。
新浪財経(快科技ソース)の報道によると、天猫はソフトウェアとしての仮想トークン販売だけでなく、自律型エージェント(Agent)をプリインストールしたパソコンや、Qwen(通義千問)を搭載した学習用端末、スマートスピーカー、AIグラスなどの「AIハードウェア」の品揃えも急速に拡大している。ハードウェア端末から背後で稼働するモデルの利用枠までを一站式(ワンストップ)で購入できるエコシステムの構築を意図している。
一方、シンガポールの聯合早報は、智譜に加えて深度求索(DeepSeek)などのスタートアップ企業の参加にも触れており、特定ベンダーに偏らないオープンなマーケットプレイスとして機能している点を指摘している。
本施策は、AIサービスの顧客基盤を従来の開発者や研究機関から、日常的な業務効率化や学習用途を求める一般消費者・ビジネスユーザーへ拡大させる重要な節目となる。
ECプラットフォームでAIサービスが標準商品として定着すれば、通信料金プランのように事業者間の価格比較やクーポン割引、大型商戦(ダブルイレブンなど)でのポイント還元といった本格的な販促競争が進むと見られる。AIモデルの利用権が「専門的なAPI契約」から「日用品のようなデジタル消費財」へと移行する流れを象徴する動きといえる。