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セキュリティ研究者のAyush Paul氏は、Anthropicの大規模言語モデルアシスタント「Claude」のWebブラウジング用ツール「web_fetch(ClaudeがWebページの内容を読み取るために使用する読み取り専用の外部アクセス用ツール)」の仕様を悪用し、Claudeのメモリ(記憶機能)に保存された個人情報をユーザーに気づかれずに外部の攻撃用サーバーへ転送させる脆弱性「Memory Heist(メモリ強奪)」を発見・報告しました。
「Memory Heist」と呼ばれるこの攻撃手法は、Claudeが取得済みのWebページ内に配置された追加のリンク先を自動でたどることができる仕様を悪用したものです。
Claude-User)を検知すると「利用者の名前による認証」を求める指示ページを表示する偽サイトを構築します。実験では、過去の会話ログにあるハッカソンの名前(Queen City Hacks)から、Claude自身が「Queen City = ノースカロライナ州シャーロットの別名」であると推論し、直接伝えていない出身都市のデータまで外部に送信させたケースが報告されています。

Ayush Paul氏は、この問題をAnthropicのバグ報奨金プログラムを通じて報告しました。その後、Anthropicは「web_fetch」ツールが外部ページ内のリンクを自動でたどる機能を無効化する変更を実施しました。現在は、ユーザーが直接指定したURLやWeb検索の結果に含まれる特定のURL以外へのアクセスが制限されており、本脆弱性による文字単位の情報漏洩経路は塞がれたとされています。
今回の報告は、AIが取得した外部コンテンツの指示をユーザーの承認なしに実行してしまう「プロンプトインジェクション」と、ブラウジング動作を通じたデータの漏洩(データ外結合)を組み合わせた巧妙な事例です。 研究者のPaul氏は、web_fetchの脆弱性は塞がれたものの、AIエージェントがアクセス可能なデータベースやMCP(Model Context Protocol。AIモデルと外部のデータソースやツールを接続するためのオープンプロトコル)(Model Context Protocol)経由の社内ドキュメントなどから情報を抽出し、別の形で不正送信される潜在的なリスクは残されていると警告しています。AIアシスタントに多様なツールの実行権限を付与する開発者は、意図しない外部接続が発生しないよう、ツール呼び出し時の安全ポリシーを厳格に設定することが求められます。