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米ハシェット・ブック・グループ(Hachette Book Group)などの大手出版社グループと作家のスコット・トゥロー(Scott Turow)氏らは7月10日、Googleが同社の生成AIサービスであるGemini(Googleが開発したマルチモーダル対応の生成AIファミリー)のトレーニングにおいて、数百万冊に及ぶ著作権保護された書籍や学術論文を無断でコピーしたとして、著作権侵害で集団訴訟を提起した。

訴訟はニューヨーク南地区連邦地方裁判所に提起された。原告にはハシェットのほか、センゲージ・ラーニング(Cengage Learning)やエルゼビア(Elsevier)などが名を連ねている。
原告側の主張によると、Googleは「Googleブックス(Google Books)」や「Google Play ブックス」、「Google Scholar」といった検索や販売を意図したサービスのために取得した書籍データを、商業用AIモデルであるGeminiのトレーニングに無断で流用したとされる。また、海賊版サイトからのWebスクレイピングデータや、有料壁(ペイウォール)の内部データも使用されたと主張している。
さらに訴状では、Googleの内部文書において、著作権保護された書籍の学習は「非常に問題があり、100億ドルから1000億ドル規模の罰金に直面する可能性がある」と警告されていた事実が暴露された。
今回の訴訟は、生成AIのトレーニングデータを巡る広範な法律上の紛争の一環である。これまでにもOpenAIやAnthropic、Metaなどが著者や出版社から相次いで提訴されており、今回の原告である出版社らも今年初めにMetaを同様の理由で訴えている。
| 企業 | 主な訴訟・和解状況 |
|---|---|
| 大手出版社らから提訴(本作)、Googleブックスなどの流用が焦点 | |
| Anthropic | 海賊版コピーの使用を巡り、作家側に15億ドルの和解金を支払うことで合意(米国史上最大規模の著作権支払い) |
| Meta | 本件と同じ出版社グループから今年初めに提訴され、係争中 |
| OpenAI | ニュースメディアとの法律上の紛争を抱える一方、一部の権利者とはライセンス契約を締結 |
一部の権利者はAI企業との間でライセンス契約を締結する動きを見せているが、Googleは一部のコンテンツをライセンス取得しているものの、今回のケースでは許諾を得ていない情報源から無断で学習を行ったと原告側は主張している。
今回の訴訟は、過去にカリフォルニア州の裁判所がフェアユース(公正利用)の観点からAI企業側に有利な判断を下した2つの事例とは異なり、Googleが検索インデックス作成などの意図で正当に取得したデータを、別の用途であるAI学習に「無断流用」したという明確な契約および信頼関係の侵害を突いている点が特徴となっている。また、訴状にあるGoogle自身の内部警告文書が事実であれば、Googleが「故意の侵害」を行った強力な証拠となり得るため、裁判の行方によっては巨額の損害賠償や学習済みモデルの廃棄命令など、AI業界全体に極めて深刻な影響を及ぼす可能性がある。