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OpenAIは2026年7月9日、限定プレビュー期間を経て最新の大規模言語モデル群であるGPT-5.6(OpenAIが開発した最新の大規模言語モデル群)の一般提供を開始した。今回のリリースでは、最上位モデルから低コストモデルまでの3モデル展開が採用されたほか、APIのプロンプトキャッシュ課金体系の変更や、サイバーセキュリティ機能の利用に関する新たな制限が導入された。これにより、企業ユーザーや開発者は料金の見積もりやアカウント運用の見直しを迫られることになる。
GPT-5.6を構成する3つのモデルは、APIやChatGPT(OpenAIが提供する対話型AIサービス)、コーディングエージェントであるCodex(OpenAIが提供するコーディング支援AIエージェント)を通じて段階を追って順次展開される。API価格(100万トークンあたり)は以下の通りである。
| モデル | 入力価格 | 出力価格 | モデルの位置づけ |
|---|---|---|---|
| Sol | 5ドル | 30ドル | 最上位フラッグシップ |
| Terra | 2.5ドル | 15ドル | 日常業務向けバランス型 |
| Luna | 1ドル | 6ドル | 高速かつ低コスト |
料金体系に関してプロンプトキャッシュの課金方法が変更された。キャッシュ読み取り時には引き続き9割引が適用されるが、キャッシュへの書き込み時には非キャッシュ時の入力料金の1.25倍が新たに課金される。このほか、30分間の最小キャッシュ保持や、キャッシュ区切りの明示指定にも新たに対応する。
利用可能なモデルは契約プランによって分かれている。
さらに、従来の推論時間最大化設定「max」に加え、既定で4つのエージェントを並列稼働させて複雑な処理を行う「ultra」設定が導入された。これは「ChatGPT Work」のPro/Enterprise、およびCodexのPlus以上で利用できる。
GPT-5.6は同社史上最高のサイバーセキュリティ防御能力を備え、コードレビューやパッチ適用を支援する。一方で、脆弱性トリアージやマルウェア解析といったより高度な防御機能の利用は、審査制プログラム「Trusted Access for Cyber」への登録ユーザーに限定される。また、個人ユーザーがこれらの機能へのアクセス権を維持するためには、2026年9月1日までにハードウェアによるパスキーを用いた「Advanced Account Security」の有効化が必須となり、未設定の場合は既定のアクセス権限に引き下げられる。
安全対策についてOpenAIは、モデルに組み込んだ保護に加え、リアルタイムのチェックや継続監視、アカウント単位の統制を重ねる多層構造をとったと説明している。
今回の変更は、日本国内でOpenAIのAPIやサービスを利用する企業や開発者にとって以下の直接の影響をもたらす。
GPT-5.6の一般提供開始は、モデルの性能向上だけでなく、AIの悪用防止に向けたガバナンスのあり方に大きな一歩を示すものとなった。特に「Trusted Access for Cyber」による組織審査やパスキーによる強固な本人確認の義務化は、高度な防御機能が攻撃者に悪用されるリスクを最小限に抑えるための実効性のあるアプローチである。
一方で、キャッシュ書き込みに対する1.25倍の課金導入は、開発者が安易にキャッシュへ依存することを防ぎつつ、リソース効率を最適化するための新たな価格設計と言える。今後は、他の主要LLMベンダーが追随して同様のセキュリティ管理やキャッシュ課金モデルを導入するかが、AI市場全体の動向を左右する焦点となるだろう。
引用元:itmedia.co.jp