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Google Cloudは、LLM(大規模言語モデル。大量のテキストで訓練された生成AIモデル)や生成AIが作成したコードを安全に隔離して実行できる「Cloud Run Sandboxes(Cloud Run上で動作する軽量な隔離実行環境)」のパブリックプレビュー(正式リリース前に一般利用者が評価できる公開版)を開始した。AIエージェントを開発する際に、信頼できないコードの実行環境をミリ秒単位で用意できるようになる。
生成AIに何らかのタスクを依頼すると、AIはコードを生成して実行したり、ヘッドレスブラウザ(画面表示なしでプログラムから操作する自動ブラウザ)でWebにアクセスしたり、ファイルを読み書きすることがある。しかしこれらの操作は必ずしも安全ではない。場合によっては必要以上に大きなコンピューティングリソースを要求する、無限に処理が終わらない、不正なサーバへ接続する、重要なファイルを削除するといったリスクがある(Publickey報道より)。
こうした問題に対処するためには、安全に隔離された多数の実行環境を瞬時に用意できることが求められる。
Cloud Run Sandboxesは、既存のCloud Run(Google Cloudのサーバーレスコンテナ実行サービス)サービスインスタンス内で軽量な隔離境界を即座に作成する。公式ブログ(Google Cloud Blog)によると、以下の3層の防御が提供される。
| 隔離レイヤー | 内容 |
|---|---|
| 認証情報・環境の分離 | サンドボックスはCloud Runサービスの環境変数にアクセスできず、Google Cloudメタデータサーバを呼び出す権限も持たない |
| ネットワークのアウトバウンド遮断 | デフォルトで外部への通信を拒否し、明示的に許可した宛先のみアクセス可能 |
| 一時ファイルシステムオーバーレイ | コンテナのファイルシステムは読み取り専用で動作し、変更はメモリ上の一時オーバーレイに書き込まれる。実行終了時にすべて破棄される(必要に応じてファイルのインポート・エクスポートは可能) |
デモでは、平均500ミリ秒のレイテンシで1,000件のサンドボックスを並行して起動・実行・停止させる動作が示された。


同様の隔離環境はAWSも「AWS Lambda MicroVMs」として提供を開始しており、サーバーレス基盤を使ったAIエージェント向けサンドボックスは主要クラウド間で競争が始まっている。
Cloud Run Sandboxesは、次バージョンのAgent Development KitおよびComputeSDKでサポートされる予定とされている。
現時点で以下の点は未確認となっている。
データ分析インタープリタやヘッドレスブラウザ操作など、信頼できないコード実行を伴うAIエージェントの開発において、自前でコンテナクラスターや高価なMicroVM製品を導入する必要がなくなる点は大きい。AWSのLambda MicroVMsと合わせ、サーバーレス基盤のサンドボックスはAIエージェント開発のインフラとして定着していく可能性がある。