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米NVIDIA(エヌビディア)とカナダのサイモンフレーザー大学からなる研究チームは、キャラクターの動きを事前学習させて多様な動作を制御するための新しいAIフレームワーク「GPC(Generative Pretrained Controllers)」を発表した。本研究は、2026年7月19日より開催される世界最大級のコンピュータグラフィックス学会「SIGGRAPH 2026」にて正式発表される予定であり、ゲームや3Dアニメーションにおけるキャラクターの挙動を物理的かつ自然にシミュレーションする画期的な技術として注目されている。
GPCは、約600時間にわたる膨大なモーションキャプチャ(人体の動きをデジタル記録する技術)データを、「動作スキルのトークン(最小のデータ単位)」へと細分化して学習する。そして、文章生成AIと同様の仕組みである「Transformer(トランスフォーマー:データの前後関係を学習する構造)」を用い、現在の周囲の環境や受けている物理的な力に応じて、次に続く最適な動作のトークンを順次予測して滑らかに繋ぎ合わせる。
従来のキャラクター制御では、歩く・走る・倒れるといった動きの移行を手動で緻密に記述する「ステートマシン(状態遷移を定義するシステム)」が必要であり、不自然な繋ぎ目を解消するために膨大な調整を要していた。GPCはこの制限を取り払い、例えばキャラクターが予期しない外的ショックを受けてバランスを崩した際にも、あらかじめ用意した回復動作と合成することなく、物理的な整合性を保ちながら自発的に自然な姿勢回復のアニメーションを作り出すことができる。
本フレームワークは高い実用性を誇り、事前学習済みのモデル全体に対して、ごくわずか(全体の1%未満)のパラメータを微調整(ファインチューニング)するだけで、起伏の激しい地形で障害物を越えるパルクールのような難度の高い動作にも適応できる。また、特定のモーションスタイル(個性的な歩き方など)を数例示すだけで、キャラクターの個性を保ちつつ、未知の物理環境へ動的に反応させる演出が可能である。
NVIDIAが提供するオープンソースのシミュレーション基盤「ProtoMotions」上に構築されたGPCは、ゲーム開発やロボットのモータ制御シミュレーションにおけるキャラクターアニメーション制作のあり方を一変させる可能性を秘めている。手動によるモーション定義をほぼゼロにし、AIによる自然かつインタラクティブな動作生成に委ねることで、ゲームクリエイターの開発工数は大幅に削減され、よりリアルで変化に富んだ仮想世界の構築が可能になるだろう。
引用元:cgworld.jp