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米宇宙開発企業のFirefly Aerospace(ファイアフライ・エアロスペース)が推進する次世代の月探査プロジェクト「Blue Ghost Mission 2(ブルー・ゴースト・ミッション2)」において、米NVIDIA(エヌビディア)のエッジAI(端末側で直接データを処理する技術)プラットフォーム「NVIDIA Jetson(ジェットソン)」が採用されました。月軌道を周回する宇宙船内で収集された膨大な観測データを、地球に送信することなくその場で高速にAI処理する初の試みとなります。

これまでの宇宙探査では、探査機や宇宙船のカメラが撮影した大容量データを一度すべて地球へ電波で送信し、地上のデータセンターで解析を行うのが一般的でした。しかし、この方法では通信帯域の制限や遅延が大きな課題となります。「Blue Ghost Mission 2」では、月周回軌道上にとどまる宇宙船にNVIDIA Jetsonを搭載します。これにより、月表面の高解像度画像データを宇宙空間で直接AI処理し、リアルタイムで有用な情報の抽出やデータ圧縮を行うことが可能になります。
Jetson上で稼働するAIソフトウェアは、Fireflyの子会社であるSciTecが開発を担当し、過酷な宇宙環境下において太陽光パネルによる限定された電力で5年間の運用に耐える設計となっています。このシステムは、月表面の画像配信サービス「Ocula(オキュラ)」に活用される予定です。月面の詳細な鉱物資源の分布特定や、将来の有人月探査・ロボット着陸ミッションに向けた高精度な着陸地点の選定、月面環境の状況認識に大きく貢献することが期待されています。
NVIDIA Jetsonが月軌道という極限環境での運用に採用されたことは、エッジAI技術が宇宙空間でのデータ処理を自律化させる上で極めて有効であることを示しています。地球との通信リンクに依存しない自律的なデータ解析は、月面探査のみならず、将来の火星やそれ以遠の深宇宙探査における宇宙船の航行や観測システムにおいても標準的な技術になっていくと予想されます。
引用元:マイナビニュース