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Microsoft(マイクロソフト)が提供する新たなAI(人工知能)統合ライセンス(ソフトウェアの利用許諾権)「Microsoft 365 E7」の企業導入が、想定よりも緩やかな推移にとどまっていることが明らかになりました。ITシステムの導入や運用管理を請け負う事業者であるTusker(タスカー)の発表によると、多くの企業が1年契約による縛りや、全社一括でのAIツールの導入に対して慎重な姿勢を見せています。
Tuskerのイノベーション責任者であるクシュ・パテル氏によると、現時点で組織全体で単一のAIプラットフォームのみを導入している企業はほとんど見られません。例えば、財務部門はスプレッドシートやプレゼンテーション作成のために「Copilot(コパイロット)」を好む一方で、開発部門はコード生成能力の高さから「Claude(クロード)」を選択し、マーケティング部門はより優れた画像生成を求めて「Gemini(ジェミニ)」を利用するなど、部門ごとの使い分けが進んでいます。
「Microsoft 365 E7」は月額99ドル(年間契約)で提供されていますが、1年間の契約期間が設定されているため、企業は柔軟な変更が難しい契約を避ける傾向があります。そのため、まずは従来の「E5」プランにとどまり、月単位で「Copilot」ライセンスを追加して支払う方法を選択する企業が多いとされています。Tuskerでは、最初からフルパッケージのE7を契約するのではなく、必要なアドオン機能から段階的に試すことを推奨しています。
AI機能の活用コストや利用効果(費用対効果)に対する企業の視線は厳しさを増しており、AWS(アマゾンウェブサービス)の「Bedrock(ベッドロック)」やOpenAI(オープンAI)のように、消費した分だけ支払う従量課金モデルを好む傾向が強まっています。しかし、今秋に開催されるMicrosoftの年次カンファレンス「Ignite」に向けて、具体的な導入成功事例や費用対効果を示すユースケースが蓄積されることで、今後の導入ペースは加速するのではないかと予想されます。